今年は「ドルの前半高・後半安」を予想(年間見通し)

今回の当レターでは、初めての試みとなる「今年のドル/円の相場見通し」をレポートする。

今年は「ドルの前半高・後半安」を予想(年間見通し)

今年は「ドルの前半高・後半安」を予想(年間見通し)

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「FX羅針盤」では毎年新年の相場付きを見極めた上で、執筆者の皆様に年間相場見通しを立てていただいています。トップバッターはドル円を中心に日報、週報を執筆いただいている斎藤さんのテクニカルの視点からのドル円年間見通しです!(編集部)
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今回の当レターでは、初めての試みとなる「今年のドル/円の相場見通し」をレポートする。まずは、「結論(メインシナリオ)」を指摘したうえで、「何故そうした結論になったのか」、理由を3つにわけて報じてみたい。
では、まず今年の年間見通しの「結論(メインシナリオ)」から。

「年の前半(1-6月)にドルは年間の高値を記録する。レベルは120-125円。
  そののち下落に転じ、年の後半(7-12月)に年間安値をつける。レベルは105-110円」

なお、上記から年間の予想レンジを極めて狭く見積もれば「110-120円」の10円レンジだが、もっとも広く予想すれば「105-125円」となり、なかなかの変動をたどることになりそうだ。

<< @;年間変動率  >>

過去の相場を調べてみると、ドル/円は一年間に平均しておよそ17%の変動をたどっていることがわかった。これはつまり、1ドル=100円でスタートし、ドル高方向のみに進んだ場合、「年末までに117円まで到達する可能性がある」ということだ。逆に、一方向でドル安が進んだ場合には、「1ドル=83円」をつけても不思議はない。

また、そんな「年間変動率」について、もう少し突っ込んで調べてみると、今年の注目材料のひとつである過去の「米中間選挙実施(11月)年」には、やや興味深い事象がうかがえる。

それは、「動くか動かないか、両極端になりやすい」−−こと。前述したように過去の全平均では「17%」程度の変動率なのだが、それが「米中間選挙実施年」だけに限れば、「25%」を超えたケースも過去に5例(1990年や1998年など)ある反面、「変動率10%以下」となった2006年のようなケースも数例観測されていた。
ちなみに、前回2014年のケースは変動率20.01%で、前者の「よく動く一年」に当たっていたようだ。

昨年が歴史的な小変動に当たったこともあり、今年は前者、「よく動く一年」だと思いたいが・・・・・・。

<< A;サイクル・日柄 >>

ドル/円には、短期から超長期まで幾つかのサイクルが存在する。そのうち「短期」のサイクルとして「10-15ヵ月周期(底から次の底までの期間)」が存在していることがうかがえる。比較的最近の動きについて、以下でまとめてみる。

◎参考;

短期波動(10-15ヵ月)
・11/10/31  75.57
・12/09/13  77.13(11ヵ月)
・13/06/13  93.75(9ヵ月)
・14/10/15  105.20(16ヵ月)
・15/08/24  116.15(10ヵ月)
・16/06/24   98.65(10ヵ月)
・17/09/08   107.33(13ヵ月)
・18年7-12月?

上記のように、前回のボトムは「2017年9月8日の107.33円」であると思われ、そこから推察すると、10-15か月後に到来する次の短期サイクルボトムは「2018年の7-12月」となりそうだ。

つまり、サイクルの観点から考えた場合、今年のドル/円は「年の前半(1-6月)にドルの高値を記録し、後半(7-12月)に同安値を示現する」−−可能性が高い。

<< B;価格 >>

2018年相場入りしたのち、ドル/円はついに昨年12月以来のボックス下限(112円レベル)だけでなく、昨年9月以来のボックス圏である110.80-114.80円の下値もいよいよ割り込んできた。
しかし、昨年2月以来の107.30-115.50円はいまだ抜け切れていない。大きな意味では、依然としてレンジ内での変動に留まっており、大局的な方向性が示されたとは言い難い状況だ。

以上のデータを念頭に置いたうえで、「形成している保ち合い(ボックス相場)をブレークした場合、形成していた価格分だけ値が飛ぶ可能性がある」−−というテクニカル分析の基本を参考にすると、昨年2月以来、実に1年近くにも及ぶおよそ8円レンジ(107.30-115.50円)を仮に上放れた場合の上値メドはおよそ122-123円、逆に下放れた場合には100円前後になっても不思議はないだろう。

そして筆者は、足もとこそドルがやや弱含みとなっている状況だが、このあとどこかで回復し、昨年9月以降の上限114.80円や同2月以降の上限115.50円を上放れていくのではないか、と予想している。

<< C;まとめ >>

Aの「サイクル・日柄」で結論づけた、今年のドル/円が「年の前半(1-6月)にドルの高値を記録し、後半(7-12月)に同安値を示現する」−−可能性が高いことを大前提に、Bの「価格」で指摘したように115.50円を上値とした昨年2月以降の大きなレンジを上抜けるとすれば、そのターゲットは122-123円となる。

相場はオーバーシュートやアンダーシュートすることが常なので、若干の幅を持たせれば、「年前半に記録するドルの高値メドは120-125円」と言えそうだ。

それに対して、「年後半に記録するドル安値」を考える際、ここで初めて@を参考にしたい。
今年のドル/円は、112.65円レベルで取引を開始した。したがって、基本的には112.65円を起点に平均で「年間17%」の変動が見込まれることになる。

うち、112.65円から120円までドルが上昇したとしても、上昇率はわずか6.5%に過ぎない。125円まで上昇すれば、同11%だ。
いずれにしても、変動率的にみてまだ年内の動意余地は残されている。

つまり、ドルが120円まで上昇した場合、起点である112.65円から10%程度値を下げる余地があるわけで、同125円だった場合には5%程度の下げ余地が残されていると言えよう。これを具体的に数値化すれば、前者の場合が「101円半ば」、後者が「107円」になる。

結果、今年のメインシナリオは、前段で指摘したように
「年の前半(1-6月)にドルは年間の高値を記録する。レベルは120-125円。
  そののち下落に転じ、年の後半(7-12月)に年間安値をつける。レベルは105-110円」と予想したい。

なお、Bの「価格」面を若干変更し、「今年6月までに115.50円のレンジ上限を抜け切れない」と考えたもの、かなりのドル弱気見通しを「サブシナリオ」とすれば、
「年の前半にドルは年間の高値を記録する。レベルは115円以下。
  そののち下落に転じ、年の後半に年間安値をつける。レベルは100円以下もありうる」となるだろう。(了)

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