トランプの反撃２

得意のパーフォマンスでトランプのPoll がクリントンに急接近

2週間前に予測したとおり、トランプのPoll がクリントンに接近してきた。
全国区では48対43と4−5ポイントまで差が縮まっている。民主党大会直後のクリントンが最高潮のときは8−10ポイントあったので、レースはだいぶタイトになったといえる。
9月1日にトランプはメキシコに飛んで、大統領と会談するなど、プレジデンシャル(大統領的)な姿を見せようとした。その後のアリゾナ州フェニックスでのラリー(応援会)で、不法移民問題について引き続き厳しい姿勢を示すことをはっきり表明した。
この1−2週間で一度態度を緩めたが、また厳しい姿勢に逆戻りである。
要はこの人は、基本的な姿勢というものは何物に対してもなく、その時の風次第で適当なことを言い散らすだけの男である。
しかしこのフェニックス演説は、聴衆に大変好評で、トランプ、トランプの大合唱となった。このようなパーフォマンスは得意な男である。

既存のファンを喜ばせるのみ（？）のトランプ演説

さて今朝（9/1）のCNN をみて、プロフェッショナルがこれをどう見ているかを探った。
2016年の選挙シーンで一番尊敬されている選挙プロはデイビッド・アクセルロッドである。
オバマ大統領の選挙参謀として2度の大統領選挙を圧勝に結びつけた人物で、今は選挙コンサルタントとして引っ張りだこの名士である。
デイビッドのこの演説に対するコメントは面白い。
確かにその場の聴衆は大喜びだが、彼らは既にトランプファンの連中であり、この演説にインスパイアー（触発）されて新しくトランプファンを作ることができるような演説の中身ではない。この演説は既にトランプファンである白人を喜ばせるが、それ以外の人達へトランプのベースを拡大することにはならない。ただ単なるトランプの自己満足で、これがPollに影響するとは思わない。というのが其のコメントである。

勝利の確率は現在26.2％、奇蹟でもないと逆転は難しいトランプ

予備選挙でトランプは空前の1500万人の支持を集めた。しかし本選挙では6500万人の票を採らなければならない。そのためには自己満足でなく、トランプ支持のベースを拡大することが選挙戦の第一の目標である。
パーフォマンスだけでなく、まじめなベース拡大の地道な努力が必要で、自己満足では何の役にも立たないとトランプを酷評している。

白人だよりの選挙戦でどこまでいけるか選挙まであと68日とだんだん時間は迫ってくる。
選挙の専門ウェブのFive thirty eight による最新の数字では、チャンスオブウィニング
（勝利の確率）はクリントン73.8％、トランプ26.2％となっている。
一時のクリントン90％、トランプ10％からみればだいぶトランプが善戦しているが、これからオバマがクリントンと全国行脚するといわれており、トランプに奇蹟でもないと逆転は難しいだろう。