脆弱なファンダメンタルズと貴金属市場低迷を受けて急反落
〇南ア円、コロナ感染拡大、リスク回避ムード、貴金属の値崩れ等に6.11まで急落、6.16付近で越週
〇南ア円、テクニカル、ファンダメンタルズとも下落リスクが警戒される
〇脆弱なファンダメンタルズや貴金属市場の低迷が南アランドの重石、心理的節目6.00割れも射程圏内
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.00ー6.30
今週のレビュー(9/21−9/25)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.39円で寄り付いた後、早々に週間高値6.42円まで上昇しました。しかし、先週末金曜日に記録した高値6.50円をバックに伸び悩むと、@新型コロナウイルスの感染者数拡大や、A上記@を背景とした世界的なリスク回避ムード(株安→ドル高・円高→新興国通貨安)、B資産現金化需要を背景とした貴金属市場の値崩れ(金や銀、銅価格の急落→南アフリカランド売りに波及)、C短期筋の見切り売り(6.50台定着失敗に伴う失望売り)が重石となり、週後半にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる6.11円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局6.16円付近での越週となっております。
来週の見通し(9/28−10/2)
南アフリカランド円相場は9/18に記録した約1ヶ月半ぶり高値6.50円をトップに反落に転じると、9/24には、一時6.11円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや雲上下限を下抜けする等、テクニカル的に見て、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(来週は強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転が点灯する可能性あり)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限→景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ。11/3に予定されている米大統領選に向けて米中関係は一段と悪化する公算大)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(南アフリカ国内のロックダウンレベルは1まで引き下げられたものの、欧米を中心に感染者数が増加傾向→資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路に要注意)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料が引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスに関するヘッドラインや米中対立関連報道、欧米株や商品市況(特に貴金属市場)の動向、南アフリカの主要経済指標の結果(8月生産者物価指数、8月消費者物価指数、8月貿易収支、第2四半期雇用統計など。特にこれまで延期が続いてきた雇用統計の結果に注目)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(脆弱なファンダメンタルズや貴金属市場の低迷が南アランドの重石。来週は心理的節目6.00円割れも射程圏内)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.00ー6.30
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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