米7月消費者物価指数(CPI)の予想
本日、米国7月消費者物価指数(CPI)が公表されます。3月〜5月までの期間は連続マイナスでしたが、6月に持ち直し、7月予想も前月比ではプラスですが伸び方が鈍化しています(下図1)。また、下図2のCPIコアとFRBがインフレ参考値にしているPCEコアは年率ベースで下降を続けており、FRBのインフレ目標値2%からは一段と乖離しています。
11日のNY市場で卸売物価指数が予想を上回る結果になったことから、米10年債は10日の引け0.57%辺りから一気に0.66%まで上昇し、債券が売られました。今日のCPIでどの様な受け止め方をするか注目されます。
2020年8月12日10時現在予想
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上図(1)は前月比ベース(全体)の推移を示しています。7月は予想通りでもまだ6ヶ月移動平均線(オレンジ)は▼0.05%となっており、水面下になっています。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑より右は今回予想値)
上図の前年比ベースのCPI(青)とPCEインフレ(オレンジ)のコア数値は依然として右肩下がりを継続しています。
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はユーロドルの日足です。3月中旬の底値からA(=1.1000)に沿って上昇し、5月中旬にB(=1.1530)、更に7月初旬にはC(=1.1820)と上げ方を加速させましたが、2008年からのユーロ安抵抗線である1.19(ほぼD=1.1916)に止められて、ユーロ高からの調整をしています。月曜日にCを切ってしまい、現在はE(=1.1700)とDとの横流れで時間調整しています。もし、Eを切ってくると、途中1.1630付近にサポートがありますが、B、F(=1.1440)方向迄下値余地が広がります。
3月底値が1.0638、直近高値が1.1916ですので、1/3押しで1.1428ですので、ほぼFに相当します。まずはサポートEでの動きを見てからになりそうです。
もし今日のCPIで予想中間値を上回り、レンジ上限辺りが出ると、昨日の卸売物価指数の様に米金利に影響しますので、この場合はユーロの底値を模索する動きが強まりそうです。
(8月12日12:50 1ユーロ=1.1722ドル)
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