トルコリラ円見通し ドル円が横ばいでトルコリラ円も横ばい(20/6/23)

19日と週明けの22日はほぼ横ばいの推移だが、これもドル円がわずかな値幅に止まって横ばいだったことと、対ドルでのトルコリラの動きも限定的だった事を反映している。

トルコリラ円見通し ドル円が横ばいでトルコリラ円も横ばい(20/6/23)

トルコリラ円見通し ドル円が横ばいでトルコリラ円も横ばい

〇週明けのトルコリラ円は横ばい
〇ドル円がわずかな値幅に止まったこと、対ドルでのトルコリラの動きも限定的だったことが要因
〇トルコは移動及び経済活動制限の解除を始めた結果、感染者数も拡大
〇第二波による経済活動制限の再開に陥るリスク警戒
〇トルコ円15.53を割り込まないうちは上昇余地あり、15.62超えからは15.70前後への上昇を想定
〇15.53割れからは一段安入りとして15.40台への下落を想定

【概況】

トルコリラ円は6月12日朝に15.48円まで安値を切り下げてからの買い戻しで12日夜には15.76円の高値をつけたが、その後は新たな高値更新へ進めずにジリ安傾向に陥り、6月18日深夜には15.53円まで安値を切り下げた。
6月12日朝への大幅下落は円高を背景とし、12日夜への反発はドル円の下げ一服による反発と同調したものだったが、ドル円が18日深夜にかけて軟調となり12日安値に迫ったものの底割れを回避し、トルコリラ円も円高に圧されてジリ安となったが18日深夜安値では12日朝安値割れには至らなかった。6月19日と週明けの22日はほぼ横ばいの推移だが、これもドル円がわずかな値幅に止まって横ばいだったことと、対ドルでのトルコリラの動きも限定的だった事を反映している。

ドル円は6月12日午前安値106.55円に対して6月18日深夜安値は106.65円に止まって底割れを回避したが、107円台をつけても維持できず、新たな安値更新は回避しつつ、22日は30銭幅に止まって動意付かない展開だった。6月22日はNYダウが4日ぶりに反発し、米ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したものの、株式市場のアフターコロナ復興期待への楽観に対してドル円はなびかなかった。ユーロやポンド等はリスク回避感が緩んだとして上昇したが、ドルストレートでのドル反落とクロス円での円安が拮抗したという事だろう。ただし、煮詰まった持ち合いは大きく動き出す前夜情勢であり、ドル円が動意付くところからトルコリラ円も大きく動き出すと構えておきたいところだ。

対ドルでのトルコリラは5月7日に7.27リラの史上最安値まで下落してからの揺れ返し上昇で6月3日には6.68リラまで戻したが、その後はドル高リラ安がぶり返している。6月18日に6.86リラまでドル高リラ安が続き、その後はドル高感が緩んでおり、終値ベースではわずかずつドル安リラ高が22日まで続いている。
ブラジル・レアルが5月8日に対ドルでの史上最安値をつけてから反騰に転じていたが、6月8日から再び下落基調が強まっていた。6月19日と週明け22日はレアルがやや戻したために新興国通貨売り圧力が全般にやや弱まったことでトルコリラも対ドルで若干戻し気味の推移となっているが、レアルもトルコリラも対ドルでの下落再開感は継続しているところと注意される。

トルコリラ円見通し ドル円が横ばいでトルコリラ円も横ばい

株高はトルコリラには若干のプラス要因となっている。イスタンブール100株価指数は6月16日から22日まで前日比変わらずを挟んで5連騰している。
6月22日に発表された6月のトルコ消費者信頼感指数は62.6となり、5月の59.5から改善した。5月の観光客数は前年比マイナス99.3%で4月のマイナス99.26%から横ばいだった。入国規制の影響であり、7月からの入国規制解除から改善へ向かうのだろうと思われるが、あくまでも感染拡大の第二波が深刻にならないことが条件だろう。

【トルコは経済活動再開で感染者再び増加傾向に】

トルコの新型コロナウイルス感染者数は6月22日時点で18万8897人で前日から1212人増、死者4974人で前日から24人増えた。5月30日から続いていた感染増加数千人以下は6月12日の1195人増から崩れて22日まで11日連続で千人超えとなっている。
トルコのエルドアン大統領は6月20日に「同国は新型コロナウイルスとの戦いにおいて若干後退しているが、衛生、マスクの着用、ソーシャルディスタンスに焦点を合わせていけば国民の保護と今年下半期の景気回復につながる」と述べている。トルコは6月1日から移動及び経済活動制限の解除を始めているが、その結果、感染者数も拡大し始めている。
トルコのエルソイ文化観光相は6月20日、トルコの国際線の9割が7月下旬までに再開するとの見通しを示した。新型コロナウイルスの感染封じ込めや観光地での安全対策は十分であり、観光客を迎え入れる準備はできたと述べている。欧州でも観光客入国規制の解除へ動き始めているため、欧州及びトルコにとっては感染増を抑制しつつ観光産業の復調を期待したいところだが、やはり問題は第二波による経済活動制限の再開に陥るリスクだろう。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月12日朝安値から12日夜高値へ戻した後は新たな高値更新へ進めずにいたために16日朝時点では12日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして17日朝から19日朝にかけての間への下落を想定した。
18日深夜へ安値を切り下げたが12日朝安値割れを回避してその後はやや戻していたため、19日午前時点では18日深夜安値を直近のサイクルボトムとし、底割れ回避のうちは19日の日中から23日午前にかけての間への上昇余地ありとした。19日及び22日の日中は横ばいが続いているので、引き続き18日深夜安値割れ回避の内は上昇余地ありとするが、18日深夜安値割れからは弱気サイクル入りとして23日夜から25日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月18日深夜安値以降の横這い推移により遅行スパンは実線と交錯している。横這いが続いたことで先行スパンからは上抜けつつあるが、再び転落しやすい位置に止まっている。6月22日午後高値15.62円超えからは上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、18日深夜安値割れからは一段安開始として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は持ち合いのため50ポイントを挟んだ往来に止まり、60ポイントを超えたところは売られ、40ポイント台前半では買い戻されている。再び60ポイントを超えてくれば上昇感が強まるとみるが、次に40ポイントを割り込むところからは下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6月18日深夜安値15.53円を下値支持線、6月22日午後高値15.62円を上値抵抗線とする。
(2)15.53円を割り込まないうちは上昇余地ありとし、15.62円超えからは15.70円前後への上昇を想定する。15.70円以上は反落注意とするが、15.60円以上での推移なら24日も高値試しを続けやすいとみる。
(3)15.53円割れからは一段安入りとして15.40円台への下落を想定する。15.45円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、15.53円を割り込んだ水準での推移なら週明けもさらに安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

6月24日
16:00 6月景況感 (5月 76.9、予想 80.0)
16:00 6月設備稼働率 (5月 62.6%、予想 65.0%)
6月25日
20:00 トルコ中銀金融政策会合(TCMB)政策金利 (現行 8.25%、予想 7.25%)
6月29日
16:00 6月経済信頼感 (5月 61.7、予想 71.0)
6月30日
16:00 5月貿易収支 (4月 −45.6億ドル、予想 -18.0億ドル)

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