オーストラリアドル週報(2020年3月第4週)

豪ドル/円、反転、上昇へ。強い上値抵抗ポイントを抜けきれない可能性。

オーストラリアドル週報(2020年3月第4週)

豪ドル/円、反転、上昇へ。強い上値抵抗ポイントを抜けきれない可能性。

新型コロナウィルスが世界に拡散、今やNY州での感染者が最多となり、3/26に発表された新規失業保険申請件数は328万件と過去に例を見ない数値となり、為替市場はドル売り一色となりました。これを受けて豪ドルは対米ドルで続伸、対円でも小じっかり推移しています。オーストラリア経済も新型コロナウィルスの感染拡大により多大な影響があり、州境の移動制限や、物流も止まった状態です。しかし、好調であったアメリカ経済が短時間の間に突然の終焉を迎えたと言えるほどのショックに見舞われたことから、トランプ政権による大規模な経済対策の効果も限定的と見られ、ウィルス拡散の鎮静化や特効薬が発見されない限り、市場の混乱はなお続くと見られます。オーストラリアもまた感染拡大が拡がっており、豪州中銀は金融と財政政策の両面で対応していますが、米欧の感染拡大が止まらない中で、先進国の経済先行きは予想以上に悪化する可能性が高く、株式、為替市場も不安定な状態が続きそうです。

チャートを見ると、日足は3/19に付けた59.91の長期的な下値抵抗ポイントに跳ね返されて一旦底打ち、反転の流れに乗せていますが、25日に付けた67.71を戻り高値として小反落に転じています。長期的な下値抵抗には跳ね返されたものの、続伸した場合でも68〜70円ゾーンに一段と強い抵抗が控えており、これが中期的な上値抵抗ポイントとして働く可能性も高く、反落の可能性にも注意が必要です。日足の上値抵抗は67.40-50、68.00-10に、下値抵抗は65.00-10、64.00-10にあります。63.50割れで終えた場合は再び下値リスクが高くなります。21日、120日、200日移動平均線は67.35、73.23、73.37に位置しており、これらの下で推移しており、下値リスクが依然として高い状態にあることを示しています。

一方直近の週足は“タクリ足”の陰線が出ており、下値トライに大きく失敗した形で終えています。今週はこの反動で上値余地を探る動きが先行していますが、上値を急角度で切り下がる流れには大きな変化が認められず70円台を回復して越週するまでは下値リスクが軽減されません。週足の上値抵抗は68.50-60、70.00-10に、下値抵抗は65.00-10、63.50-60にあります。63.50割れで越週した場合は再び下値リスクが高くなります。31週、62週移動平均線は73.04と74.85に位置しており、中・長期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにあります。

豪ドル/円、反転、上昇へ。強い上値抵抗ポイントを抜けきれない可能性。

豪ドル/円【週足】:3/26現在31週移動平均線は73.04に、62週線は74.85にあり、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにある。

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