ドル円、5ヶ月ぶり安値圏へ急落。米緊急利下げでも収まらないリスク回避ムード(3/4朝)

3日(火)の海外市場でドル円は上昇後に急反落。

ドル円、5ヶ月ぶり安値圏へ急落。米緊急利下げでも収まらないリスク回避ムード(3/4朝)

ドル円、5ヶ月ぶり安値圏へ急落。米緊急利下げでも収まらないリスク回避ムード

海外時間の為替概況

3日(火)の海外市場でドル円は上昇後に急反落。@世界各国(政府・中銀)による相次ぐ景気対策の発表(含む金融緩和)や、A上記@を受けたリスク回避ムードの後退(株高・円売り)、BG7財務相・中銀総裁の緊急電話会議を控えた期待感が支援材料となり、アジア時間朝方には一時108.54まで急伸しました。しかし、前日高値108.58を前に伸び悩むと、C注目されたG7緊急電話会議で具体策が出てこなかったことに伴う失望感(一部で期待されていた協調利下げは発表されず)や、D米FRBによる緊急利下げ(FF金利の誘導目標を従来の1.5%ー1.75%から1.0%ー1.25%へ引き下げることを全会一致で決定。超過準備の付利も0.5%引き下げ1.1%へ)を受けたドル売り圧力、

E上記Dを受けて一時上昇に転じていた米主要株価指数が再び下げ幅を拡大したこと、F米長期金利の急低下(更なる利下げを織り込む催促相場。米10年債利回りは心理的節目1.0%を割り込み0.935%へ)が重石となり、米国時間午後にかけては、昨年10/9以来、約5ヶ月ぶり安値となる106.94まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時20分現在)では、107.08近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は続伸。米FRBによる緊急利下げや、米長期金利の急低下を受けたドル売りが支援材料となり、米国時間にかけて、1/2以来、約2ヶ月ぶり高値となる1.1212まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時20分現在)では、1.1185付近で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、先週木曜日(2/20)に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、昨日(3/3)は一時106.94まで急落しました(2週間で5円27銭の急落劇)。この間、一目均衡表雲転換線や基準線、一目均衡表雲上限及び下限、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークも発生するなど、テクニカル的に見て「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや(緊急利下げ実施の米国と、追加緩和手段に乏しい日本)、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。世界的な金融緩和期待を背景に、都度持ち直す動きが見られるものの、新型コロナウィルスの感染拡大を受けた世界経済への悪影響は深刻であり、一巡後の反落が常に警戒されます(金融緩和の効果に対する不信感が根強く、財政出動の必要性が高まりつつある)。

本日発表される一連の米経済指標(ADP雇用統計や、サービス業PMI、ISM非製造業景況指数など)が冴えない結果となれば、「米景気減速懸念→米利下げ観測再燃→米長期金利低下→ドル売り」の経路と、「世界的な株安→リスク回避の円買い」の双方の経路で、ドル円が一段と押し下げられるリスクも想定されます(更なる追加利下げを織り込む催促相場)。米大統領選のメインイベントである「スーパーチューズデー」の開票や、米経済指標の結果、新型コロナウィルスを巡る続報を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円の続落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:106.25ー107.75

ドル円、5ヶ月ぶり安値圏へ急落。米緊急利下げでも収まらないリスク回避ムード

ドル円日足

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