ユーロ 対ドルで一時昨晩の直近安値に並ぶ
13日の東京市場でユーロドルは安値圏での小動き。新規材料難から値動きは限られ、日中のレンジは15pipsにとどまったものの、終始1.0900割れの水準を維持。一時昨晩NY時間につけた2017/5月以来の安値1.0865と並ぶ局面もありました。夕刻欧州勢参入後はやや戻し東京時間19:00現在は1.0882レベルで取引されています。
昨晩の海外市場では欧州序盤に発表された12月の欧州圏の鉱工業生産が前年比-4.1%と大幅に悪化。直後は反応薄だったものの、ユーロは徐々に値を下げる展開となりました。新型コロナウイルスの感染速度が低下したとの中国当局の見方にリスク選好が回復、米長期金利が上昇したことからのドル買いも加わり、ユーロドルは当面のターゲットと目されていた昨年の再安値1.0879をNY時間に下抜けて未明に1.0865の安値をつけました。
景気回復のスピードでは数年来米国の後塵を拝してきた欧州圏でしたが、ここへきて新型コロナウイルスの拡大と中国経済への打撃が不可避なものとなりつつある中で、両者の差がさらに拡大するのではないかとの憶測がユーロ安の背景にはありそうです。
昨年来、ある意味中国を経済的に突き放す政策をとってきた米国と、引き続き貿易の中国依存度の高い欧州圏では中国経済のダメージから受ける影響の度合いが違うとの見方です。
今週、議会証言で米経済の堅調と現行の金融政策の妥当性を強調し、リスクを認識しながらも金融緩和を行わない方針をにじませたFRBのパウエル議長のスタンスが、年内ECBの金融緩和は不可避と見る市場関係者には好対照と映ったことも想像に難くありません。
テクニカルにはユーロドルは昨日週足チャートで指摘した2017年1月安値1.0341起点、2018年2月高値1.2555までの上昇のフィボナッチ76.4%(1.0864)でぴたりと止まった形です。この水準を下抜けるとサポートらしいサポートは1.07台半ばまで見当たらず、下値余地が一層拡大するため、本日はこの水準の攻防が注目されます。
序盤の欧州株価指数先物は中国湖北省での新型ウイルス感染者の急拡大を受けほぼ全面安。
今晩この後22:30に米1月の消費者物価指数、および新規失業保険申請件数の発表があります。
ユーロドル月足
ユーロドル日足
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