ユーロドル欧州時間に続伸 英国は12/12総選挙実施に向かうも混迷深まる(10/30夕)

30日の東京市場でユーロドルは横ばい後に続伸。

ユーロドル欧州時間に続伸 英国は12/12総選挙実施に向かうも混迷深まる(10/30夕)

ユーロドル欧州時間に続伸 英国は12/12総選挙実施に向かうも混迷深まる

30日の東京市場でユーロドルは横ばい後に続伸。
日中は1.1110を中心に方向感なく推移しましたが夕刻発表されたフランスの第3四半期GDP速報が前期比で+0.3%と事前予想を上回るとややユーロ買い優勢となり、昨日高値を上回る1.1123の高値をつけた後、東京時間18:00現在は1.1120レベルでの取引です。

昨晩欧州時間に英ジョンソン首相により提出された、12/12の総選挙に関する特例法案は、労働党が賛成に回ったことにより可決されました。もともと労働党のコービン党首は合意なき離脱のリスクがなくなれば選挙に応じるとの方針を表明していましたが、合意無き離脱のリスクが遠のいた後も、形勢不利と踏んで選挙に賛成の立場をとっていませんでした。しかし、ジョンソン首相が選挙前にEU離脱法案を可決しない譲歩を示したことで少数野党の自由民主党、スコットランド国民党が選挙に賛同する可能性が出てきたため(結局両党は棄権)、選挙に後ろ向きの姿勢のまま取り残され、傷を広げることを恐れた労働党が苦渋の選択で総選挙に応じたものとみられます。

ただし、今回の選挙は事実上のEU離脱国民投票のやり直しとなる可能性があり保守党にとってもリスクの高いものとなります。特に現在穏健的EU離脱を方針として掲げる労働党等がEU離脱反対に回り、与野党間の選挙の争点がEU離脱の是非に絞られた場合、世論調査で支持率が過半数に達していない保守党は、苦戦を強いられることとなります。2016年の国民投票時点で離脱を支持した高齢者層の一部は鬼籍に入っていて、EU残留支持の多い若年層に入れ替わっている状況で、当時僅差で可決したEU離脱自体が選挙で白紙に戻る可能性も否定はできません。そもそも国民投票も、その後メイ首相がまさかの敗北を喫した2017年の総選挙も事前の世論調査とは異なる結果であり、英国において世論調査がほとんどあてにならない点も不透明感を増しています。

昨晩ユーロドルは英国の選挙が決まったことの一応の安ど感に加え、米ドルサイドにも、消費者信頼感指数の不冴えや米中協議の不透明感の再燃等のネガティブ材料があり上値を伸ばしました。テクニカルにも一目均衡表の「雲」や90日線の上に再浮上しています。

今晩は日本時間明日未明に公表される米FOMCの結果とパウエル議長の会見に市場の関心が集中しているため、基本的には欧州時間に大きな動きは想定されませんが、EUの消費者信頼感、3Q米GDP、個人消費、独、EUのCPI等重要指標の発表が並んでおり、事前の時間帯も一応注意が必要です。
序盤の欧州株価市場先物はまちまちの推移。FOMCの結果公表は日本時間明日未明3:00、パウエル議長の記者会見は同3:30からです。

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