豪州中銀議事録(2016年5月17日公表:理事会は5月3日開催分)
(出所:豪州中銀HPから)
一部金融政策部分を抜粋してお送りします。
(議事録要旨)
金融政策を勘案するに、委員達は最近のインフレや労働コストに関するデータが、2月時点で予想していたより低いことを注意して見ていた。消費者物価指数の第1四半期は一時的な要因を反映しているけれども、物価や労働コストなど幅広い分野での緩やかさを見ると、国内インフレはより低下するモメンタムを持っている。その結果、我々は消費者物価の先行き見通しを下方修正した。
また、オーストラリアの主要貿易相手国の経済も従前の予想よりは緩やかになっている。中国経済は減速続け、先行き見通しも緩やかとなっている。若干高くなった商品価格はオーストラリア経済の収入や活動を下支えしてくれている。しかしながら、今後2〜3年間の商品価格は鉱山投資の拡大などを見込めないと予想される。
資本市場は年初より改善した。国内では、経済活動や失業率の見通しは3ヶ月前と変わっていない。現在利用できるデータをみても、経済は鉱山関連主導の成長から、リバランスが継続している。これは緩和的金融政策と、貿易を下支えている2013年以降の為替レートの下落が貢献している。GDPは予想より少し強いとみている。しかし、より緩やかなペースとなっている。失業率は現状を維持していくと思われ、GDP上昇に伴い改善していくと見られる。2013年以降の通貨安は成長や経済調整コースを手助けした。通貨高になればこれらを複雑にするかもしれないが。
成長は緩やかに改善しているが、インフレ見通しは下げた。同時に、住宅関連の今後の進展に注目している。1年前と比較して借入れ金利を潜在的に低くすることで借入れの標準化を強化することになる。
委員達は会合で金融政策の調整メリットについて議論し、行動する前に更なる情報を待っていた。委員達は、インフレ目標に向かわせる動きを取るため、また経済の持続的成長の観点から、今回の会合で金融政策の緩和を行なうことで改善するだろうと判断した。尚、5月の会合では据え置くことも検討している。
(結論)
委員達は5月4日から25ベーシス金利を引き下げ1.75%にすることを決定した。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
コメント
GDPの伸びは緩やかではあるものの改善しています。中銀はインフレ見通し下げにより今回利下げの判断材料としていますが、文中の随所に豪ドル安の効果をも指摘しており、今回の利下げはこの豪ドル安を含めたものと予想されます。また次回の会合では追加利下げを先送りする文言もあり、暫く今回の緩和状況の推移を見守るとしています。
議事録公表後、市場は次回以降も追加緩和を想定していたために、豪ドルはショートカバーで戻しています。今回利下げで緩和打ち止めではないと思われるので、まだ豪ドル安の流れは変わっていないと思います。
豪ドル対米ドルは0.72台後半で推移していましたが、公表後は0.7350絡みまで豪ドルが上伸しました。豪ドル安トレンドは変わりないと見ていますが、目先は一度0.7320〜30の抵抗線を上抜きかけているので、重要な抵抗線である0.7410まで上値余地ができています。この上値ポイント抜けると、一度豪ドルは中立になり横ばい状態になりそうです。
一方で、下値は重要なサポート0.7250を維持されました。当面は豪ドル高で何処迄上値余地があるのかを探る展開で、その後0.7250サポートを再度試す流れになりそうです。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:編集人K
2016.05.17
豪中銀議事録公開受けA$上昇(2016年5月17日)
A$は午前中に発表となった豪州中銀の5月3日の予想外の利下げが行われた政策決定会合の議事録の公開後上昇しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。