ユーロドル続伸、パウエル議長の緩和スタンス確認
11日の東京市場でユーロドルは1.12台後半で堅調推移。一時1.1281の高値をつけ、東京時間18:30現在は1.1270レベルでの取引です。
昨晩の海外時間に行われたパウエルFRB議長の下院議会証言では、貿易摩擦がもたらす景気先行きへの不透明感に対し、予防的な金融緩和措置も辞さない姿勢を改めて示したため、市場では7月FOMCでの利下げは確実とみなされドルが改めて売られる展開となりました。
パウエル議長のスタンスは前回6/18-19のFOMC時と同様で、その後の行き過ぎた金利先安観や、逆に良化した雇用統計への過度の利下げ見送り懸念にも動じることのないものでした。
ユーロドルの現状レベル1.12台後半は、前回FOMCでFRBが緩和スタンスを明らかにした直後や先週雇用統計後に大きく下落する前とほぼ同水準で、ごく短期的にはバランスの良い水準と考えられます。
テクニカルにはユーロドルは、先週末の雇用統計で下放れた上昇トレンドに回帰しつつあり、本日1.1284レベルにある21日移動平均線や転換線に接近中。現状ではここからさらに一段高する勢いは感じられませんが、昨晩の議会証言でもパウエル議長が今後の金融政策はこれから3週間の間に出てくる経済指標の内容次第との趣旨の質疑を行っている中で、本日は中でも最重要の指標の一つである米国の消費者物価指数の発表が予定されており、内容次第で上下どちらにも大きく動く可能性があり注意が必要です。
序盤の欧州株価指数先物は米国やアジアでの株価堅調を受けておおむね上昇して始まっています。
米国CPIの発表は今晩21:30から、今晩も上院で23:00からパウエル議長の議会証言着が予定されており、昨日の今日で大きな変化はないと予想されるものの、CPIに異常値が出た場合などには発言の変化にも注目です。また、20:30には前回6/6のECB理事会議事要旨が公表されます。この時は金利を据え置いたものの金利据え置き期間の見通しを半年延ばすフォワードガイダンスの変更を行った一方で、一部で期待された利下げの議論された形跡がなく、そのため直後にはユーロが反発した経緯があり、実際行われた議論の内容は注目されます。
ユーロドル日足
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