ドル円、議会証言後の急落を打ち消す展開。
海外時間の為替概況
11日の為替市場でドル円は急落後に急反発。パウエルFRB議長によるハト派寄りな議会証言を受けて、ドル円はアジア時間に一時107.86まで下げ幅を広げましたが、一目均衡表基準線(107.88)付近で下げ渋ると、海外時間にかけて急反発。@変動の激しい食品とエネルギーを除いた米6月コアCPI(結果+2.1%、予想+2.0%)が市場予想を上回ったことや(ドル買い要因)、A低調な米30年債入札を受けて米長期金利が上昇したこと(ドル買い要因)、BFRBによるハト派姿勢の鮮明化を受けて米主要株価指数が史上最高値を更新したこと(リスク選好の円売り要因)などが支援材料となり、米国時間午後には一時108.54まで急伸する荒々しい値動きとなりました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局108.45付近でのクローズとなっております。尚、この間、米10年債利回りは、2.037%→2.140%まで急上昇、米ダウ平均株価は史上最高値となる27,088.42ドルを記録しております。
一方、ユーロドル相場は上値の重い展開。ハト派寄りの米議会証言を受けて一時1.1286まで上昇するも、米6月コアCPIが市場予想を上回ったことや、低調な米30年債入札を受けて米長期金利が上昇したこと等が重石となると、NY時間午後にかけて1.1245まで反落。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局1.1255付近でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
パウエルFRB議長によるハト派的な議会証言を受けて、ドル円は一時「108円割れ」の急落劇を演じましたが、一目均衡表基準線(107.88)に続落を阻まれると、海外時間にかけて急伸する荒々しい値動きとなりました。パウエルFRB議長は「利下げ」の地ならしこそ行いましたが、7月FOMCでの大幅利下げ(50bp)を示唆したわけではなく、ドル売りへの波及は一時的なものに留まっております。結果的にボリンジャー・ミッドバンド(108.05)や一目均衡表転換線(108.26)を上抜けてクローズするなど、テクニカル的に見て、「下値の堅さ」が意識されつつあります。本日・日本時間21:30に発表される米6月生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る結果となれば、昨日のCPI後の動きと同様、米長期金利の上昇を通じてドル円が強含むシナリオも想定されます。米経済指標の結果を睨みながらも、本日はやや上昇リスクに警戒が必要でしょう。(予想レンジ:108.20ー108.90)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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