ユーロドル弱含み 一時1.12割れ
15日の東京市場でユーロドルは弱含み。前日までとは様子を異にして上値を試す雰囲気はありません。昨晩の海外市場では、全般的に米中貿易懸念がやや後退し、主要市場にリスク選好か戻る気配を見せる中で、EUのみはイタリアのサルビーニ副首相が「EUの財政赤字や債務のGDP比といった財政規律を超えるような必要に迫られた場合、われわれはその用意ができている」と述べたことで久々にイタリアの財政問題が息を吹き返した形となり、ユーロは対ドルで1.12近辺まで押し下げられました。
本日東京時間には目立った動きは無かったものの、夕刻欧州勢参入後に一時1.1198と1.12を割り込む動きとなっています。
欧州委員会の最新の四半期経済予測でのイタリアの19年の成長率見通しは0.1%。昨年12月に散々もめたあげくにイタリア予算がEUに承認された時にイタリア側の19年度の成長見通し1.5%は楽観的すぎるとして前提は1.0%に修正されていました。しかし、1/3を過ぎた時点でほぼゼロ成長に見通しが下方修正された形となっていて、いずれイタリアの財政規律問題がぶり返すであろうことを市場も薄々は予感しているわけですが、昨晩のポピュリスト政党所属のサルビーニ副首相のあからさまな発言は、再びイタリアがユーロ圏の経済の重石となる可能性を市場に意識させることとなりました。
一方イギリスのメイ首相は与野党協議に進展がないままに、6月初めにブレグジット法案を下院に再提出する意向と伝えられており、欧州圏を巡る必ずしもポジティブとは言えない2つのテーマに再び動きが見られることには留意が必要です。
テクニカルにはユーロドルの膠着状態にあまり変化はありませんが、昨晩の下落で21日線絡みとなり、サポートとしては1.1199の転換線が一応意識されます。ただこれはさほど強いものではなく、下抜けた場合には4/26につけた直近の安値1.1112もそれほど遠い距離にはありません。
序盤の欧州株価指数先物は軟調推移。本日この後は米国で21:30に4月の小売売上高とニューヨーク連銀製造業景況指数、22:15に4月鉱工業生産と設備稼働率、23:00に3月企業在庫の発表と重要指標の発表が相次ぎやや波乱含みです。
ユーロドル日足
オーダー/ポジション状況
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