豪州中銀・金融政策決定会合要旨(キャッシュ・レート・ターゲット)
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
今日(2019年3月5日)発表された中銀の議事要旨は内容的にも全く新味なく、相場の材料にされませでした。豪ドル対米ドルは、発表前に0.7075〜80米ドルで推移していましたが、発表後は瞬間0.7090米ドルまで買われ、その後0.7071米ドルまで反落しまた。レンジにして僅か20ピップス程度ですから、ほとんど反応なしでした。まだ昨日のシカゴポジション168内で書いたレンジ内の下限トライの動きに留まっています。短期の豪ドル自体は弱い流れにいますが、0.7070米ドルのサポートを切ると0.7050米ドルトライになりますが、更にこのサポートを切ってしまうと0.70、0.6950米ドル方向への流れになります。上値は0.71に抵抗線があり、ここを越えると目先の豪ドル安は一度終了します。
以下は今日の中銀金融政策要旨です。
(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。
世界経済は2018年のトレンドを越えて成長している。ただ年後半には少し減速した。ゆっくりした成長は2019年も続いている。ダウンサイドのリスクが増えてものの、世界経済の概観は理にかなった動きをしている。貿易の緊張は残り、不確実性の源になっている。中国では、当局が金融市場の緩和を一層進めている。この一部は経済の減速に対応したものだ。世界的なインフレは原油価格の下落で一層下がった。ただ、コアインフレは幾つかの国で上昇した。ほとんどの先進国では、失業率が低く、賃金は上昇した。
全般的に、世界の金融市場は依然緩和的である。年が変わる時点で、引き締め後に緩和に移行している。長期債の金利は下落し、インフレ見通しも下がり、幾つかの先進国では、将来の政策金利の先行き見通しも下がった。また、株式市場は上昇した。これは企業収益の上昇によるものだ。豪州では、短期の銀行金利のコストは緩やかになった。それでもここ数年間では、まだ幾分高い水準にある。
豪ドルは依然狭いレンジでの取引に終始している。貿易条件ではここ2〜3年で少し上昇したが、今後は下がる見込みである。
豪州の労働市場は強いままである。雇用は著しい伸びを示し、失業率は5%である。失業率はまだ下がり、今後2〜3年で4.75%方向を予想している。求人率は高く、幾つかの部門では技術職の不足が見られる。強い雇用は賃金の上昇に導き、これは歓迎すべきことである。雇用の改善はこの先の賃金上昇に結びつくべきである。それでもまだそれは緩やかであるが。
その他の指標は2018年後半に経済が減速したことを示すものであった。先行き経済見通しの中央値は依然として今年3%成長をみている。概観では、その下支えとして挙げているのは企業投資の増加、高水準の公共投資、増加する雇用である。主要な国内の不確実性は家計消費の強さである。これは家計収入の伸びが弱く、幾つかの都市で住宅価格が下がっているからである。にも関わらず、家計収入の伸びが今後も家計消費を下支えすることは期待されている。
(住宅関係は略:内容的には弱い基調が続くことになっています)
インフレは依然低く安定的である。基礎的インフレは今後2〜3年で上昇すると予想している。ただ、その上げは緩やかで、当初の見通しよりも少し時間がかかると予想している。基礎的インフレの中央値は今年2%、2020年に2.25%を予想している。現下のインフレは短期的には下がると予想しているが、これは原油価格の下落によるものである。
低水準の金利は引き続き豪州経済の伸びを支えている。失業率は一層下落し、インフレは目標値へ向かう期待がある。ただ、この進展は緩やかである。利用できる情報を鑑み、委員会は今回の会合で、金融政策の据え置きスタンスを決めた。これにより経済成長を下支え、インフレ目標を達成に寄与できる。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
(3月5日14時00分、1豪ドル=0.7077米ドル)
尚、次回金融政策会合は2019年4月2日(火曜日)に予定されています。
オーダー/ポジション状況
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