10日以来の113円台、レンジ上放れは本物か(10/31夕)

31日の東京市場は、小幅にドルが続伸。値幅的には30ポイント程度と小さかったが、終日を通して113円台の推移をたどるなど、ドルの強さが際立っていた。

10日以来の113円台、レンジ上放れは本物か(10/31夕)

<< 東京市場の動き >>

31日の東京市場は、小幅にドルが続伸。値幅的には30ポイント程度と小さかったが、終日を通して113円台の推移をたどるなど、ドルの強さが際立っていた。

ドル/円相場は、113.10-15円で寄り付いたのち、ドルがじり高推移。月末最終日で仲値不足観測が一部で喧伝されていたうえ、前日比112円高で寄り付いた日経平均株価が上げ幅を拡大、終値ベースでは463円高まで値を上げたことが材料視されていたという。リスク志向の高まりに、113.30-35円までドルは続伸している。
16時時点でも、ドルは113.15-20円で推移、強さを維持したまま欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米国ファクター」について。
複数の米メディアで「トランプ大統領、『出生地主義』の廃止を検討」と報じられ、新たな火種の発生が懸念されているなか、米CNNは「司法省、職務通じ利益図った可能性で内務長官を調査」と報じ物議を醸していた。
そのほか単発のニュースとして、「ニュージーランドが批准、『TPP11』が12月30日発効へ」、「日韓外相が『徴用工問題』で電話会談、河野氏は『毅然とした対応』を要求」−−といった報道のほか、日銀から「金融政策の現状維持決定」との発表、安倍首相による「10%を超える消費税率は検討していない」、黒田日銀総裁「金融政策は為替相場を目的とするものではない」との発言も観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

11日以降、3週間近く続けてきたレンジをようやく上抜け、足もとは113円台での推移となっている。再三再四レポートしたように、今年の相場の特徴は「レンジをいったん抜けても、結局元のレンジに回帰する」ことだったが、今回は「しっかり」上放れたと言って良いようだ。いずれにしても、ドルの上方向の展望が広がった感を否めないが、ひとつだけ気になるのは本日東京時間がテクニカルに重要な113.30-35円で上げ止まったこと。ドルの強気派としては、なるべく早いタイミングで上抜けして欲しいところだろう。
材料面では、米中間選挙までいよいよカウントダウンが開始されるなか、様々な米国ファクターが注視されている。昨日から本日に掛けても、前記したように新たな2つの「火種」が観測され、選挙戦に与える影響が懸念されていた。ともかく、続報には要注意だ。また、週末に発表される米雇用統計をにらみ、発表される米経済指標への関心が徐々に高まりつつある感も否めない。

テクニカルに見た場合、先週初めから短期的にみただけでも3-4度見られ、いずれも失敗に終わっていた113円台乗せを昨日欧米時間にようやく達成した。今年はダマシの多い「レンジブレーク」だが、今回は本物と考えてよさそうだ。ドルは底堅く推移する公算が大きい。
ただし、フィボナッチの観点で見た場合、10月高値114.55円を起点とした下げ幅に対する61.8%戻しは113.35円レベルで、東京がちょうど同レベルで上げ止まったことは若干気掛かり。とは言え、抜ければ次のターゲットは76.4%戻しの113.80円レベル。それも超えれば、いよいよ114円台が見えてくる。

一方、材料的に見た場合、10月のADP雇用統計や同シカゴ購買部協会景気指数といった米経済指標の発表が予定されている。ちなみに、週末発表の10月の米雇用統計と相関性が高いなどとされる前者の事前予想値はプラス18.7万人ほどで、好数字ながら前月(プラス23万人)よりはやや減少する見通しだ。いずれにしても、実際の指標内容には要注意。
そのほか、ゼネラル・モーターズやケロッグなどによる米企業決算の発表や、依然として不安要素の多い欧州情勢にも引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.60-113.80円。ドル高・円安方向は、テクニカルポイントでもある本日東京時間高値の113.30-35円の攻防にまずは注視。抜ければ、113.80円や114円などがターゲットとなりそうだ。5日以来の114円台回復も!?
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線も位置し、昨日までの抵抗だった112.80円前後が最初のサポートに。ただ、下回っても112円半ばや112円レベルなど、下方向にサポートは多く底堅そう。(了)

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