NZ中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。今回もエコノミスト予想通りの結果となりました。
但し要旨内容では、前回「必要とあれば次の金利操作は上下どちらの方向の変化にも、十分対応できるポジションにいる」としていましたが、今回は、「5月の声明で予想していたよりも長い2019年〜2020年にかけて、現行の金利水準を維持すると予想している。」として、長期間の現状維持を公表しています。
要旨では、現下の経済成長は緩やかながらも上昇し、インフレは目標値中間に向けて上昇すると分析しているので、金融政策の長期間現状継続と現下の成長見通しとの整合性に無理がありそうな内容です。要旨内でもはっきり述べている、NZドル安と低金利の恩恵をこのまま維持したいのが本音の様です。
NZドル/米ドルの相場は発表前に0.6745〜50米ドルで推移していましたが、発表後は0.6670米ドル付近まで急落しています。エコノミストは来年2Qまでの利上げなしを予想していましたが、中銀が2020年まで突発材料がない限り、現状水準の緩和を維持するとした内容に、NZドル売りになった模様です。
現在の0.6670〜80米ドルは重要なポイントで、ここは2016年にダブルボトムで支えられた水準です。従いまして、今日ここを切って終わると新たなNZドル下値模索の流れに入り、次は0.7570〜80米ドルが見えてきます。(8月9日10:30、1NZドル=0.6670米ドル)
尚、中銀の金融政策要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
オフィシャルキャッシュレート(OCR)は1.75%のままに据え置いた。我々はこのOCRが、5月の声明で予想していたよりも長い2019年〜2020年にかけて、この水準を維持すると予想している。我々は前回、次のOCRの変動方向は上がるか下がるかとしていた。
最近の経済成長は緩やかである一方、年内残りはこの上昇ペースを維持すると期待しており、2019年を通しても維持されるだろう。
世界経済の拡大とNZドル安が輸出拡大を支えている。国内では、稼働率や労働市場の拡大が、低金利に支えられて企業投資を促進している。政府支出や投資もまた上昇している。一方で、住居建設や家計支出は底固い。
労働市場は過去1年タイトであった。雇用はラフにみても経済を下支えている水準にある。我々は失業率が現状水準から緩やかに下がっていくと予想している。
コアインフレが先行き上がっていく初期の兆候が見えることは歓迎すべきことである。インフレは、稼働率の圧力を受けて、中銀目標値内の2%に向けて上昇するだろう。しかしながら、この道のりはまだデコボコしているかもしれない。つまり、世界的な原油価格の上げ下げや、為替レート安や、既に発表されているガソリン物品税上げの影響などがある。我々は適切にこのボラティリティ(変動率)を見ていく必要がある。しつこいインフレになるようなら応えていく必要があるかもしれない。
ただそれらのリスクは中銀の予想内にある。最近の緩やかな成長はまだ続くだろう。低い企業信頼感指数は雇用や投資判断に影響を与えるだろう。逆に言えば、もしコスト上昇圧力が価格上昇やインフレ期待に影響を与えるようなら、インフレ上昇のチャンスがある。
我々はOCRを暫くの間維持し、これにより雇用が下支えされ、インフレが安定的に推移するとみている。
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2018年9月27日(木曜日)に予定されています。
(以上)
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