豪州中銀議事録
これまでの議事要旨と大きな変更はありません。議事録公表後の為替は0.7524〜38レンジの14ピップス程度の小動き留まっています。
但し、政策金利を動かす状況になったら、利下げでは利上げの可能性高いとしており、NZ中銀のどちらでもあり得るとの内容よりは格段に経済情勢をポジティブに分析しています。
以下は豪州中銀の金融政策の議事録要旨の抜粋をお送りします。今回は箇条書きにしています。
(議事録要旨)
(国内経済)
1 より強い成長が今後2〜3年に亘って期待できる。
2 経済成長が失業率の一層の低下をもたらす。言い換えれば、賃金の緩やかな伸びやインフレが期待できる
3 3月のインフレ指数は中銀の予想に沿った数値(四半期ベース0.5%、年率2%弱)であった。
4 労働市場の代替稼働率が賃金の伸びを抑え、インフレを低いままにしている。とりわけ、多くの割合を占めるサービス関連部門の雇用において顕著である。
5 非鉱山関連部門の企業投資は2017年通して非常に強かった。先行きもポジティブな状況にある。
6 NAB(ナショナルオーストラリア銀)の調査によれば、企業の資本支出は前年で平均以上であった。
7 12月末四半期で落ちていた輸出数量は2018年初には幾分回復した。貿易ベースで、豪州の商品輸出の価格は前年予想より高くなった。しかしながら、この先の四半期では価格は下落が予想されている。それでも過去10年間の平均よりは相対的に高い水準である。
8 住宅部門において、住宅投資は依然高い水準にある。中古住宅では、価格がシドニーやメルボルンでやや下がった。
9 家計消費は2017年通して堅調だった。中銀の支店からの報告でも小売や自動車販売が堅調である。
10 2017年下半期の国内需要のモメンタムは3ヶ月前の予想より強かった。これは家計消費の拡大や予想以上の非鉱山関連部門の投資によるものである。
11 これを踏まえて、中銀のGDP見通しはほとんど変わっていない。2018年末にはGDPが3%を少し越えると予想。これは低金利政策と世界経済の上振れによる。
12 CPIインフレは今後2〜3年で徐々に上昇していくと予想。2018年と2019年共に2%を幾分越える水準になると予想している。
(国際経済情勢は略)
(金融市場)
13 世界経済は家計消費や企業投資の改善が続き、最近は緩やかな引き締めに入っている。米国は3月に利上げを実施した。
14 米国の利上げにより、米ドルが買われ、銀行や企業の借入コストが上昇した。社債市場におけるクレジットスプレッドは若干拡大している。
15 世界の株式市場は前月を見ると内容は混在している。国際的な貿易政策を巡る問題で米国と中国の株価ボラティリティが高まった。豪州株は少し上昇した。資源やエネルギー株が上昇した反面、金融株は2017年末比で7%も下落した。
16 為替市場のボラティリティは依然低いままである。豪州ドルは貿易加重ベースでは、前月とほとんど変わらなかった。ただ、商品価格の低下や米豪間の金利差などから2017年末と比較して5%の豪ドル安となった。それでも豪ドルは過去2年間、米ドルや貿易加重ベースの比較で、まだ狭いレンジで推移している。
17 ただ、金融市場で幾つかの細部での動きを見ると、米国ドルの買い入れコスト上昇により幾つかの他国の通貨市場に影響を与えている。
18 豪州において、金融関連会社を含めての社債スプレッドは前月と比較して幾分上昇した。
19 金融市場において、キャッシュレートは暫くの間、変更なしが予想されている。そして2019年央に25ベーシスの上昇が見込まれている。
(金融政策について)
20 世界経済の状態は依然ポジティブであり、今後も豪州経済を徐々に強くしていく。
21 世界経済の環境は今後2〜3年間は好ましい状況が続くと予想している。
22 インフレは低いままだが、幾つかの経済地域では少し上昇している。そして、幾つかの国で引き締め気味の政策を採っている。
23 国内では、豪州のインフレは依然低く、最近のインフレデータは中銀見通しに沿った内容になっている。
24 現状の環境を考えると、キャッシュレートを次回動かすとすれば、利下げよりはむしろ利上げになりそうである。インフレは目標の中間に近付く動きになることが予想される。但し、直近直ぐには、金融調節しないことで委員は一致した。
委員会は現行の1.5%のキャッシュレートを据え置いた。
(要旨は以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2018年5月15日13時30分、1豪ドル=0.7525米ドル)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:橋本 光正
2018.05.14
A$シカゴポジション(2018年5月8日現在)
シカゴの豪ドルポジションはネットショートを11,100枚増やし、▼16,800枚となりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。