【概況】
12月12日深夜高値113.75円から15日夕刻安値112.02円まで下落して12月6日安値111.99円に迫ったが、112円割れをひとまず回避して15日夜は112円台後半へ戻して週を終えた。
週明け18日午前に112.82円まで戻したものの18日深夜には112.31円まで下落したため戻り一巡からの下げ再開と思われたが、19日の日中はしっかりして夜間の上昇で113.07円を付けるところまで戻した。週末からのやや戻し気味の展開が続いている。
この日は欧米の長期金利が上昇したことでユーロ高ドル安の一方で円安ドル高となった。
米税制改革の最終法案が下院で可決されたことで年内成立見込みとなり、米国の債務拡大の影響が意識されたことと、米住宅着工件数が市場予想を上回ったことで米10年債利回りが上昇した。また、ドイツの国債増発見込みからドイツ10年債利回りが上昇、つれて欧州各国の長期金利も上昇したことでユーロ高となった。
【米住宅着工、米税制改革法案、日銀金融政策】
米商務省が発表した11月の住宅着工件数は季節調整後年換算で129万7000戸となり、前月比3.3%増、市場予想の125万戸を上回った。先行指標である住宅着工許可件数は129万8000戸となり1.4%の減少だったが、予想の127万8000戸を上回った。
米下院は法人税率の大幅引き下げ等の税制改革法案の最終案を賛成227、反対203で可決した。上院は定数100のうち共和党が52の過半数を占めるため、20日に可決されて成立する公算となった。最終案についてさらに修正が必要との報道もあるので、まだ成立までに時間がかかる可能性も残っているがクリスマス休暇までには成立すると思われる。
本日から日銀金融政策決定会合が開催される。金融政策は現状維持と予想される。インフレ目標への進展が見られず、また米連銀が利上げを決定した後に緩和政策を強調して円安に誘導することも憚られると思われるので、明日の政策発表、黒田総裁の会見でも為替市場に影響を与えるような新鮮味のある話はないと思われる。
【60分足 一目均衡表分析】
60分足の一目均衡表では19日夜への上昇で遅行スパンが好転した。18日夜の下落では先行スパンから転落しかけたが切り返しており、上抜いた状況を維持している。このため、遅行スパン好転中は戻りを試しやすいとみるが、週末からのリバウンドも3日目に入ること、先週後半の下落に対して凡そ半値を戻していることから113円台に乗せるところは抵抗感も出やすいと思う。112.75円割れからは弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からは戻り一巡による下げ再開注意とする。
60分足の相対力指数は19日深夜への上昇で70ポイント台後半まで上昇、60ポイント前後まで下げたがその後もしっかりしている。18日朝高値と19日夜の高値更新にかけての間では弱気逆行が見られていないが、80ポイントに迫った後なので、逆行なしでも短期的には高値警戒感がでやすい。また20日未明高値をわずかに上抜く場合は指数の弱気逆行が発生しやすいため、高値更新後に60ポイント割れしてくる場合は下げ再開を疑う。
概ね3日から5日周期の短期サイクルでは、15日夕安値で目先の底を付けて戻している。12日深夜高値を基準とすれば今回の高値形成期は15日深夜から19日深夜にかけての間と想定されたため、すでに20日未明高値でサイクルトップを付けた可能性もあるが、相場のリズムが変わるときには高値切り上げによる新たな強気サイクル入りとしてサイクルトップ形成が伸びる可能性もある。112.75円を上回るうちはサイクルトップ形成への上昇余地ありとし、20日未明高値を上抜く場合は113.15円から113.50円にかけての上昇を想定するが、113.25円以上は反落警戒圏とみる。
112.75円割れからは弱気転換注意として19日未明安値112.31円試しを想定する。さらに底割れの場合は新たな弱気サイクル入りとして20日午後から22日にかけての下落と111円台後半試しへ向かうとみる。(了)<10:00執筆>
【当面の主な予定】
12月20日
(日) 日銀金融政策決定会合、開催(21日まで)
24:00 (米) 11月中古住宅販売件数 (10月 548万件、予想 553万件)
12月21日
06:45 (NZ) ニュージーランド7-9月期GDP 前期比 (前期 +0.8%、予想 +0.6%)
06:45 (NZ) ニュージーランド 7-9月期GDP 前年比 (前期 +2.5%、予想 +2.4%)
未 定 (日) 日銀金融政策決定会合結果公表
(欧) スペイン・カタルーニャ州議会選挙
15:30 (日) 黒田日銀総裁、記者会見
22:30 (米) 7-9月期GDP・確報値 前期比年率 (改定値 +3.3%、予想 +3.3%)
22:30 (米) 7-9月期個人消費・確報値 前期比年率 (改定値 +2.3%
22:30 (米) 7-9月期GDPデフレーター・確報値 前期比年率 (改定値 +2.1%、予想 +2.1%)
22:30 (米) 7-9月期コアPCEデフレーター・確報値 前期比年率 (改定値 +1.4%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 22.5万件、予想 23.3万件)
22:30 (米) 12月フィラデルフィア連銀製造業指数 (11月 22.7、予想 21.0)
23:00 (米) 10月住宅価格指数 前月比 (9月 +0.3%)
24:00 (欧) ユーロ圏12月消費者信頼感・速報値 (11月 0.1、予想 0.2)
24:00 (米) 11月景気先行指数 前月比 (10月 +1.2%、予想 +0.4%)
オーダー/ポジション状況
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