オーストラリアドル週報(2017年11月第一週)

先進国、特にアメリカの景況感が一段と明るさを増す中で先進国の債券、株式市場への資金流入の動きが強まっており、豪ドルは対ドル、対円で上値の重い展開となっています。

オーストラリアドル週報(2017年11月第一週)

豪ドル/円、短期は弱気。中期は強気を維持。

先進国、特にアメリカの景況感が一段と明るさを増す中で先進国の債券、株式市場への資金流入の動きが強まっており、豪ドルは対ドル、対円で上値の重い展開となっています。10/25に発表された第3四半期の消費者物価指数が2.0%を下回る結果となり、中銀のターゲットに届かなかったことも失望売りを誘いました。オーストラリア経済は緩やかな拡大基調にありますが、中銀が緩和的な政策を継続するとの観測や、豪ドル安を歓迎する姿勢にあるため、反発力の鈍い展開となっています。

チャートを見ると、日足は、88円割れから新たな下落トレンドに入っており、上値を切り下げる流れに変化が認められません。また、8/11に付けた85.45を起点として下値を切り上げてきた短期サポートラインからも下抜けた位置で推移しており、この日足の上値抵抗は88.00-10にあります。現状は87.00-10に強い下値抵抗があり、これを守って小反発に転ずる可能性を残していますが、日足、週足ともに形状が弱く、戻り余地が限られる展開が予想されます。日足の上値抵抗は前述の88.00-10と88.50-60に、下値抵抗は86.00±10銭、85.50-60にあります。21日移動平均線は87.92に位置しており、短期トレンドは豪ドル弱気の流れにありますが、200日線は85.98に位置しており、下値抵抗として働く可能性を残しています。

一方直近の週足を見ると、続落に繋がる可能性が高いとされる「カブセの陰線」が出ており、この足が6月に付けた81.78を起点とする短期サポートラインを下抜けており、一段の下落リスクが点灯中です。一方で、昨年6月に付けた72.53を起点とする中・長期的なサポートラインを守っており、この下値抵抗が85円台後半にあることや、31週、62週移動平均線が85.90と84.47に位置しており、中期トレンドは豪ドル強気の流れを維持していること、85〜86円ゾーンには中・長期的な下値抵抗が散在していることから、85円台を一気に下抜けるほどの下落にも繋がり難いと見られます。短期は一段の下落リスクが点灯中ですが、中期トレンドは85円割れで越週しない限り、豪ドル強気の流れを維持します。今週の週足ベースで見た上値抵抗は88.50-60と89.00-10に、下値抵抗は85.80-90と85.00-10にあります。

一方月足を見ると、10月足は陰線引けとなり、続伸に繋げられずに終えています。下げ余力の強いものではないことや、昨年6月に付けた81.78を起点とするサポートラインの下値抵抗が、85.00-20に控えており、続落した場合でもこれが強いサポートとして働く可能性がありますが、一方で、9月足が90円超えトライに失敗して押し戻されていること、62ヶ月移動平均線が89.13に位置しており、この下に入り込んだ状態にあることから、89円超えの越月か、90円台に日足の実体を戻さない限り、トレンドも変化せず下値リスクがより高い状態に変わりありません。11月足の上値抵抗は88.30-50、89.10-20に、下値抵抗は85.10-20、84.00-10にあります。31か月移動平均線は85.13にあり、短期サポートポイントとして働く可能性がありますが、62ヶ月移動平均線は89.13で上値を抑え込んでおり、戻り売りの流れと見ることができます。

豪ドル/円、短期は弱気。中期は強気を維持。

豪ドル/円【週足】:(10/31現在31週移動平均線は85.90に、62週線は84.47にあり中期トレンドは豪ドル強気の流れを維持している)

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