豪州中銀・金融政策決定会合要旨(17/10/4)

豪州準備銀行(中銀)政策金利   現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)

豪州中銀・金融政策決定会合要旨(17/10/4)

豪州中銀・金融政策決定会合要旨(2017年10月3日開催分)

豪州準備銀行(中銀)政策金利
  現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)

(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。

世界経済の状態は改善を続けている。労働市場は引き締まり、不確実性は残しているものの、幾つかの先進国では予想以上の成長が期待されている。中国経済はインフレ整備支出や不動産建設によって成長が支えられている。中期リスクとしては高水準の債務が残っている。豪州の貿易面では先行き下降が予想されているが、相対的には高い水準を維持している。

多くの国で、コアインフレを形成している賃金の伸びは依然低いままだ。現下のインフレは年初より下がっており、これは原油安の影響と思われる。米国ではFRBがバランスシート正常化を開始し、年内には更なる利上げを予定している。その他主要国においても追加緩和の状況は期待できない。資本市場は有効的に機能しており、ボラティリティは低いままである。

豪州経済は6月末期に0.8%まで拡大した。現状のデータから見ると、中銀の予想通り今後も成長は緩やかに拡大していくことが見込まれる。

ここ数か月では、非鉱山関連の企業投資がより拡大している兆候が見受けられる。この傾向は歓迎できる発展である。調査報告による企業状況は高水準を維持し、稼働率は上昇した。インフラ投資の拡大もこの見通しを支えている。これに反して、実質賃金の伸びは遅く、高水準の家計債務が消費の伸びを抑え込んでいくと思われる。

雇用は最近、力強く改善している。雇用はあらゆる州で拡大し、労働参加率の上昇を促している。色々な先行指標を見ると、先行きの雇用も堅調な拡大を示唆している。失業率は今後2〜3年で徐々に下がっていくと見込まれる。

賃金の成長は低い。おそらくまだ暫く続くだろう。強い雇用が今後賃金を引き上げる兆候は見せてはいるが。インフレは低く、経済拡大に伴いゆっくりと上昇していくと思われる。

豪ドルは年央以来、通貨高となっている。これは米ドル安を反映したものだ。豪ドル高は経済価格を下げる圧力を加える。今後の通貨高は経済活動のゆっくりとした結果や現状予想されているより低いインフレを反映した結果になるだろう。

住宅債務の増加が家計消費の拡大を遅々としたものにしている。中期リスクとして高水準で増える家計債務が挙げられる。但し、最近は貸出の状況が引き締められており、投資家の借入も減ってきている。住宅価格については国内でマチマチの動きになっている。幾つかの地域では上昇し、幾つかの地域では下落している。

豪州の低金利は豪州経済を支えている。現状の利用できるデータを分析すると、委員会は金融政策のスタンスを維持し、今回の会合で据え置きを判断した。これにより、持続的経済成長を達成でき、インフレ目標に近くづくと判断している。
(要旨以上)

(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。

今回要旨も前回9月とほとんど変わらない内容となっています。為替に関しては、豪州のファンダメンタルズから勘案した通貨の動きになっていくと予想しています。
金融政策発表に0.7820米ドル付近で推移していた豪ドルは、予想通りの内容に発表後0.7785米ドル付近まで下落しましたが、現在は0.7860〜50まで回復しています。
既に0.7970〜0.8110米ドル(先週までは0.7940〜0.8080米ドル)の豪ドル高トレンドラインを既に切っているので、このレンジ内に回復するまでは、豪ドルの戻りは売られ易くなっています。下値サポートは0.7750〜60米ドルにあります。(10月4日11時00分、1豪ドル=0.7863米ドル)

尚、次回金融政策会合は2017年11月7日(火曜日)に予定されています。
(以上)

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