豪州中銀議事録(7月4日開催分)2017年7月18日公表

豪州中銀の金融政策の議事録内容を一部抜粋してお送りします。

豪州中銀議事録(7月4日開催分)2017年7月18日公表

豪州中銀議事録(7月4日開催分)2017年7月18日公表

(議事録要旨)
委員達は、おそらく一時的な減速だったのだろうと判断している3月末GDPをベースに、年末までの成長見通しについて議論した。GDP成長は依然として中銀予想の潜在成長率を下回っている。これは労働市場の代替余力や低インフレによると見られる。ニューサウスウェールズやビクトリア地区では内需を中心にして成長に貢献しているが、西オーストラリア地区の内需は再び下降となっている。ただ、この地域でも幾つかの改善の兆候が見られる。サイクロンデビーの影響で石炭輸出が落ち込んだにも関わらず4半期成長では6月末期は拡大していると予想されている。(注:第2四半期GDPは9月6日公表予定です)

3月末期の消費も落ち込んだ。これは家計収入の伸びが減速したためである。しかし、最近の雇用や小売データを見ると、6月末期は拡大すると予想される。委員達は最近の雇用拡大で家計収入が拡大し、故に消費も拡大するだろうと確認した。

住宅関連は3月期に天候の影響で減速した。6月期までの新建設許可の状況みてもあまり芳しくないが、大きなパイプライン建設が一連の減速を補ってくれるとみている。
中古住宅や新築住宅は地域によってばらつきがある。シドニーやメルボルンは非常に強い状態を維持している。これは相対的に人口増の影響によるものである。但し、シドニーやメルボルンでの新規入札倍率などは下落しており、これは住宅事情が先行き、幾分緩和されることを示唆している。

民間企業投資は3月期に拡大した。これは予想外の鉱山関連投資の伸びによるものである。非鉱山関連はその期では減速した。しかしながら、年末に向かっては緩やかに拡大していくと予想している。
公共投資は拡大している。これはインフラ整備需要で公共投資が拡大し、GDP成長を拡大させる要因となる。

貿易は3月期に大きく伸びた。これは前年比の25%アップとなっている。しかし、6月末期には減速している。これは3月比で鉱山関連の輸出が減ったことが一時的要因になっている。

雇用関連は2016年以降改善を続けている。雇用の伸びは5月に著しく伸びた。これは3ヶ月連続での拡大である。
過去5年間を見ると、家計サービス部門の雇用はフルタイムやパートタイム両方共に拡大に貢献したセクターになっている。また最近はフルタイムの雇用がパートタイムより大きく伸びている。先々を見ても雇用環境は伸びていくと見られている。

(国際経済関連は略)

貿易加重平均ベースの為替に関しては、ほとんど過去数か月間変わらなかった。米ドルは、2017年上半期では安くなったが、それでも昨年の大統領選挙前とほぼ同じ水準にいる。ユーロは最近若干強くなっている。豪ドルは最近の会合時と比較して幾分強くなっている。しかし、米ドル水準と貿易加重平均の間の狭いレンジ内には収まっている。

キャッシュレートの水準に関連して、直ぐの決断に代えて委員達は世界経済があらゆる地域で幅広く回復していることを確認した。これらは、幾つかの先進国で投資が拡大し、労働市場がタイトになっていくだろうと確認した。これは賃金や物価が上がっていくことを示唆している。これらを勘案して、多くの委員達は国内の経済状態がよりポジティブになっていくことを確認した。資本市場の価格はこれら経済において、予想される金融政策の道筋では、上方修正されそうな経済に関して前向きに対応していくことを示唆している。

国内的には、6月期までの利用できるデータを見れば、一般的にポジティブだったと見ている。消費は6月末期には拡大した模様で、家計収入の伸び鈍化…とりわけ高水準の家計債務で、将来の消費については不確実性が残ると見ている。
また低金利が経済を支え、2013年以降の豪ドル安も貢献した。豪ドル高はこれらの調整を複雑にしてしまう。

委員達は世界経済の改善を確認し、先々の拡大を歓迎している。にも関わらず、豪州の現状の経済には好影響となるが、インフレ見通し、今後の労働市場の進展、住宅価格の十分な監視が必要と思われる。

以上利用できるデータを基に、委員達は現行の緩和基調の金融政策を維持し、これが持続的成長に繋がり、インフレ目標達成に貢献できると判断し、キャッシュレートを現行の1.5%のまま据え置きを決定した。
(要旨以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル/米ドルは議事録公表前0.7805米ドル付近で推移していましたが、公表後は0.7870米ドルまで急伸し、さらに時間をかけて0.7920〜25米ドルまで買われています。
議事内容は大枠では変わらない内容ながらも、6月期末のGDPが拡大方向になることを確認し、先々も世界経済の拡大が豪州に好影響を与えると予想しているため、市場は豪ドル買いに反応している様です。
豪ドル高の流れが変わっていませんが、目先の抵抗線0.7930米ドルをクリアすることが次の0.80米ドルをトライできる要因で、逆にこの水準で止められると一度豪ドル高の調整入りになりそうです。(7月18日16時30分、1豪ドル=0.7912米ドル

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