豪ドル/円、短期は上値余地を探る動き。中期トレンドは弱気。
6/7に発表されたオーストラリアの第一四半期のGDP成長率は前期比+0.3%、前年比でも年率+1.7%と市場の予想通りの結果となりました。世界経済が明るさを取り戻しつつある中、豪州経済も引き続き緩やかな拡大基調にありますが、オーストラリア準備銀行はキャッシュレートを現在の1.5%に据え置いています。雇用市場がしっかりしている一方で労働賃金の上昇が緩慢であることや、低インフレにも配慮したもの見られます。金融政策決定会合要旨には貿易取引が良好な一方で、住宅価格が上昇傾向にあり家計債務の圧迫要因となることに若干の懸念を示しています。一方、外的要因であるトランプ政権の政策実行力、EU結束力への懸念は消えておらず、リスク回避的な動きが再燃する可能性にも注意が必要です。
チャートを見ると、日足は81.90-00の足元を固めつつあり、反発余地を探る動きが見られますが、3/15に付けた87.49と5/16に付けた戻り高値84.52を結ぶレジスタンスライン上抜けておらず、この上値抵抗は83.30-50近辺にあります。また、21日、200日移動平均線が83.09と83.07に位置しており、現状はこれを上抜けきれていないことから、84円台を回復して引けない限り、下値リスクがより高い状態に変わりありません。また、81.50割れで終えた場合は再び下値リスクが高くなります。日足の上値抵抗は83.20-30、83.50-60、84.00-10に、下値抵抗は82.10-20、81.60-70にあります。
一方直近の週足は小陰線で終え、単体では下げ余力の強いものではないことや、62週移動平均線が81.64に位置しており、これには跳ね返された状態です。今週は下値を攻めきれずに反転、上昇の流れに転じていますが、2/15に付けた88.16を起点として上値を切り下げる流れに変化が認められず、この週足の上値抵抗が85.00-10に位置していることや、31週移動平均線が84.57に位置していることから、中期トレンドは豪ドル弱気の流れに変化が認められません。現状は62週移動平均線が下値抵抗として働いている状態にありますが、81.50割れで越週した場合は再び下落リスクが高くなります。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は83.70-80に、下値抵抗は82.00-10、81.60-70にあります。また、31ヵ月も85.76に位置しており、中・長期的な流れは豪ドル弱気の流れにあります。
豪ドル/円【週足】:(6/7現在31週移動平均線は84.57にあり、これを下抜けて豪ドル弱気の流れにあるが、62週線は81.64にあり、これには一旦跳ね返された状態にある。)
オーダー/ポジション状況
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