ドル円、米小売売上高の良好な結果を受けて一時158円台後半へと急上昇
○ドル円、アジア時間朝方の157.88から米国時間朝方に158.86まで上昇
○日経平均や米主要株価指数の堅調推移などリスク選好の円売り圧力が支え
○ユーロドル、米国勢参入後1.0905まで上昇、買い一巡後は1.0871まで反落
○ドル円、テクニカル的に見て地合は崩れていないと判断
○ファンダメンタルズも、円キャリートレードの優位性残存などドル円相場上昇を連想させる材料揃う
○ドル買い・円売りトレンドの早期再開をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:157.50ー159.50
海外時間のレビュー
16日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値157.88まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦輸入企業と思しき実需のドル買い(押し目買い)や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)米主要株価指数の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(4)米6月小売売上高(結果±0.0%、予想▲0.3%)の市場予想を上回る結果、(5)米6月小売売上高・除自動車(結果+0.4%、予想+0.1%)の市場予想を上回る結果が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値158.86まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間7/17午前6時30分現在)では、158.32前後で推移しております。
16日(火)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)先週木曜日以降のドル売り(米FRBによる利下げ観測再燃→米金利低下)の流れの継続や、(2)ドイツ7月ZEW景況感指数(結果+41.8、予想+41.0)の市場予想を上回る結果、(3)ドイツ7月ZEW現況指数(結果▲68.9、予想▲74.8)の市場予想を上回る結果が支援材料となる中、米国勢参入後に、高値1.0905まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米6月小売売上高の市場予想を上回る結果や、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)ECB理事会を控えたポジション調整が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0871まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間7/17午前6時30分現在)では、1.0900前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前日記録した約1カ月ぶり安値157.18をボトムに切り返すと、昨日は一時158.86まで上昇しました。強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立しており、テクニカル的に見て、地合いは崩れてない(ポジション調整一巡後に上昇トレンドが再開する可能性大)と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待(米FRBによる年内2回の利下げ実施はほぼ完全に織り込まれているため、ここから更にドル売り要因として寄与する可能性は乏しい→日米金利差が一気に縮まるわけではないため、当面の間は円キャリートレードの優位性が残存)や、(2)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り要因→クロス円上昇→ドル円上昇)、(3)トランプトレードの継続期待(米大統領選におけるトランプ氏勝利の確率が上昇すれば、財政悪化→インフレ上昇の思惑から、米金利上昇・米ドル買いが発生しやすい)、(4)政府・日銀による介入効果の乏しさ(当座預金残高の見通しから推測すると、政府・日銀は7/11に3ー4兆円、7/12に2兆円規模のドル売り・円買い介入を実施した可能性が高い→市場では計5ー6兆円規模の介入を行ってもドル円の押し下げ効果は限定的だったとの見方が大勢→政府・日銀による介入警戒感は数日以内に薄れる公算大)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米経済指標(米6月住宅着工件数、米6月建設許可件数、米6月鉱工業生産、米6月設備稼働率)が市場予想を上回る場合や、米当局者(リッチモンド連銀バーキン総裁講演、ウォラーFRB理事講演)より早期利下げに慎重な発言が見られる場合などには、米金利上昇→米ドル買いの経路で、再びドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの早期再開をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:157.50ー159.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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