ドル円、約1カ月ぶり安値更新後に反発するなど下値は堅い。トランプトレードもドル買い要因(7/16朝)

週明け15日(月)のドル円相場は下落後に反発。

ドル円、約1カ月ぶり安値更新後に反発するなど下値は堅い。トランプトレードもドル買い要因(7/16朝)

ドル円、約1カ月ぶり安値更新後に反発、トランプトレードもドル買い要因

○ドル円、15日アジア時間朝方の高値158.43から米国時間午後に157.18まで下落
○米FRBの早期利下げ観測再燃など、先週木曜以降のドル売りの流れ継続
○売り一巡後は下げ渋り、引けにかけて158.05前後まで持ち直し
○ユーロドル、高値1.0922まで上昇後、米金利低下など背景に1.0895前後まで反落
○ドル円、テクニカル的に見てトレンド変換(上昇→下落)は生じていないと判断
○ファンダメンタルズも円キャリートレードの継続期待などドル円相場反発期待の材料が揃う
○ドル円相場の一巡後の急反発をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:157.50ー159.00

海外時間のレビュー

週明け15日(月)のドル円相場は下落後に反発。アジア時間朝方にかけて、高値158.43まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)先週木曜日以降のドル売り・円買いの流れの継続(米CPI鈍化に端を発した米FRBによる早期利下げ観測の再燃と、政府・日銀による不意打ち的な為替介入観測の組み合わせ)や、(2)本邦祝日に伴うドル買い需要の減退、(3)パウエルFRB議長による「過去3回のインフレ指標は信頼感を高める」「第2四半期のインフレ率はさらに改善」とのハト派的な発言、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力、(5)短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値157.18(6/17以来の安値圏)へと下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)パウエルFRB議長がハト派的な見解を強調しつつも利下げ時期や回数についてヒントを与えなかった(7月FOMCでの利下げ観測後退)や、(7)上記6を背景とした米長期金利の低下幅縮小、(8)米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7/16午前6時00分現在)では、158.05前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日発表された米7月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果▲6.6、予想▲7.6)は市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

週明け15日(月)のユーロドル相場は上昇後に反落。アジア時間朝方にかけて、安値1.0883まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)先週木曜日以降のドル売りの流れの継続や、(2)ユーロ圏5月鉱工業生産(結果▲2.9%、予想▲3.6%)の市場予想を上回る結果、(3)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0922まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(4)ECB理事会を控えたポジション調整や、(5)米長期金利の低下幅縮小、(6)欧州株の冴えない動きが重石となり、本稿執筆時点(日本時間7/16午前6時00分現在)では、1.0895前後まで反落する動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は一時157.18(約1カ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、押し目買いに下支えされる形で、引けにかけて158円台を回復しました。短期的な地合いの悪化が警戒されるものの、中長期的な視点では依然として強い買いシグナル(強気のパーフェクトオーダー、一目均衡表三役好転、ダウ理論の上昇トレンド)が複数点灯しているため、テクニカル的に見て、トレンド転換(上昇→下落)は生じていない(足元の下落は急ピッチな上昇に対する一時的なポジション調整)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待(米CPI鈍化を皮切りに年内2回の利下げ観測が浮上するも、たとえ米FRBが年内2回の利下げに踏み切ったとしても日米金利差が極端に縮まるわけではない→円キャリートレードの逆流が生じるほどのインパクトはない)や、(2)トランプトレードの活発化期待(トランプ氏が銃撃に屈しない姿勢を強調→トランプ関連株急上昇→トランプ氏優勢報道は、財政悪化→インフレ上昇の思惑から、米金利上昇→米ドル買いに繋がりやすい)、(3)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の反発を期待させる材料が揃っています。

政府・日銀による介入警戒感は依然として燻っているものの、一方で「為替介入で円安の流れを止めることは難しい」ことは明らかであるため、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の急反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米6月小売売上高や、米6月輸出入物価指数、米7月NAHB住宅市場指数、クーグラーFRB理事発言などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:157.50ー159.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約1カ月ぶり安値更新後に反発、トランプトレードもドル買い要因

ドル円日足

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