南アランド円週報:『国民統一政府に対する期待感から約6年ぶり高値圏へと急上昇』(6/22朝)

南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、6/7に記録した約1カ月半ぶり安値8.18円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて約6年ぶり高値8.89円まで急伸しました

南アランド円週報:『国民統一政府に対する期待感から約6年ぶり高値圏へと急上昇』(6/22朝)

『国民統一政府に対する期待感から約6年ぶり高値圏へと急上昇』

〇今週の南ア円、週末にかけて、週間高値8.89まで急伸
〇4党連立による国民統一政府の樹立・合意、JPモルガンによる南ア投資判断引き上げ決定等が背景
〇日足がすべてのテクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも点灯、地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも政局不安後退と外国人投資家の資金流入期待が南ア円をサポート
〇引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.75ー9.05

今週のレビュー(6/17−6/21)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.57円で寄り付いた後、早々に週間安値8.53円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)4党連立による国民統一政府の樹立・合意(アフリカ民族会議=ANC、民主同盟=DA、インカタ自由党=IFP、愛国同盟=PA)や、(2)米JPモルガンによる南アフリカ株の投資判断引き上げ決定(アンダーウェイトからオーバーウェイトへの引き上げ)、(3)海外投資家による資金流入期待(南アフリカ株急伸→南アランド急伸)、(4)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(5)南ア5月消費者物価コア指数(結果+4.6%、予想+4.5%)の市場予想を上回る結果、(6)上記5を背景とした南ア中銀による早期利下げ観測の後退が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.89円(2018年5月以来、約6年ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/22午前4時00分現在)では、8.87円前後で推移しております。

来週の見通し(6/24−6/28)

南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、6/7に記録した約1カ月半ぶり安値8.18円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて約6年ぶり高値8.89円まで急伸しました(対ドル相場も約10カ月ぶり高値圏へと急上昇)。日足ローソク足が全てのテクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が全て点灯していること、日足のみならず4時間足や週足でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)国民統一政府に対する期待感の高まり(連立政権樹立が混乱なく進んだことに対する安堵感→市場は特に親欧米の白人政党「民主同盟=DA」との連立合意を強く好感)や、(2)上記1を背景とした外国人投資家による資金流入期待、(3)南ア中銀による早期利下げ観測後退(今週発表された南アフリカのインフレ率が依然として中銀目標値を上回っていることや、先週開催された米FOMCが予想以上にタカ派的な内容であったこと等の影響から南ア中銀の利下げ観測が大幅後退→現在は南ア中銀の利下げ開始時期が本年11月頃まで後ずれするとの見方がコンセンサス)など、南アランド円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(※但し、ラマポーザ大統領の閣僚人事の行方や、ANC・DA間のイデオロギー相違など、依然として政治的不透明要因が燻っている点には留意が必要→国民統一政府に関するネガティブニュースが報じられる場合には一転して南アランド売りに繋がるリスクあり)。尚、来週は6/27に予定されている南ア4ー6月期BER消費者信頼感指数や、南ア5月卸売物価指数、6/28の南ア5月貿易収支、南ア5月財政収支などにも注目が集まります。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.75ー9.05

注:ポイント要約は編集部

『国民統一政府に対する期待感から約6年ぶり高値圏へと急上昇』

南アフリカランド円日足

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