東京市場のドルは155円90銭まで上昇、徐々に保合い色を強める展開か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀の国債買入オペに対する思惑が影響して155円90銭台までドルは上昇した。
昨晩の海外時間では、4月米輸入物価指数は予想外に伸びが拡大したほか、住宅着工件数も増加、失業保険申請件数も減少、さらに、メスター・クリーブランド連銀総裁がより長期にわたり高金利を維持する方針を支持、インフレ動向次第では追加引き締めも除外しない考えを示したことで10年債利回りが4.38%とやや上昇。長期金利上昇に伴いドル買いが強まり155円台半ばで推移した。
東京時間では、10時頃、日銀が17日に実施する国債買入オペ(公開市場操作)を通知し、購入予定額を前回から据え置いた。市場では国債購入を一段と減らすとの思惑があったため、日銀通知後は円売り・ドル買いが増え、155円90銭台まで上昇した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:155円41銭
高値:155円93銭
安値:155円35銭
終値:155円79銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:168円87銭
高値:169円29銭
安値:168円78銭
終値:169円22銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:103円78銭
高値:104円00銭
安値:103円72銭
終値:103円95銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:196円89銭
高値:197円33銭
安値:196円80銭
終値:197円26銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38561円04銭
高値:38842円49銭
安値:38539円56銭
終値:38787円38銭(前日比−132円88銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、4月ユーロ圏CPI(確報)(前年比)、前回:2.4%、市場予想:2.4%
18時00分、欧、4月ユーロ圏CPI(確報)(コア)(前年比)、前回:2.7%、市場予想:2.7%
21時30分、欧、オーストリア中銀総裁、スロベニア中銀総裁、ラトビア中銀総裁が会議出席
23時15分、米、ウォラーFRB理事が会議出席
25時15分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が大学で挨拶
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、昨日も陽線を残しており、3日につけた安値151円86銭からのリバウンドはかろうじて継続しているが、4月29日高値と3日安値をそれぞれ起点とした保合い色が強まりそうな状況だ。方向感が乏しくなる要因は、日米金利にあると考える。
米国では、15日の4月CPI発表後、政府高官の発言で米10年債利回りが上下に振れているが、その動きは小さくなりつつあり、足元4.3%から4.5%手前での横ばい推移に留まっている。年内2回の利下げを織り込んではいるが、インフレ警戒感は根強いことから方向感は見えにくい。
一方、日本では、日銀が13日にオペで残存期間「5〜10年」の国債購入を減額しており、市場の一部に減額の思惑があったものの、17日は据え置いたことで、日銀が金融引き締めを積極化するとの観測は和らぎつつある。ある意味、日銀の円安対応の手詰まり感も意識され始めている。
日米金利差が急速に縮小することはないが、急速に拡大することもない状況下、積極的な円売りドル買いポジションも構築しにくい様子。シカゴ投機筋の5月7日時点の円売りポジションは13.4万枚と直近ピークだった18万枚比では円売りポジションは大幅に減少している。政府・日銀と思われる円買い介入後もこれだけの円売りポジションを残している方が驚きかもしれないが、次の売買材料が見出せないなか、ドル155円水準は居心地がいい水準と言えよう。
今晩の海外時間は、目立った経済指標の発表は予定されていないので、売買材料は政府高官の発言くらいか。基本的には155円台半ばでのもみ合いを想定する。上値メドは155円90銭、下値メドは155円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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