豪州中銀による金融政策と経済・物価見通し2016Nov
(1) GDPと消費者物価指数
8月時点の予想と比べ、2016年6月末GDPは最終的に3%が2.8%になり、若干下がりました。各年度末の予想数値は2017年末までは変更ありませんが、2018年6月末は当初の3〜4%予想が2.5%〜3.5%に▼0.5%と下方修正しています。また消費者物価指数は2018年末まで1.5〜2.5%レンジで続くと予想され、レンジ上限になれば中銀のインフレ目標2〜3%内に収まります。
2016年6月末は、内容として緩やかな伸びに留まり、予想を上回る公共需要の伸びが弱かった国内消費をカバーした形になったと分析しています。そして、非鉱山関連分野の伸びは予想より若干上回り、これは低金利と年初の豪ドル安の好影響によるものとしています。非鉱山関連で特に強かったのは住宅関連投資と公共需要、次いで、住宅関連消費が下支えしていると分析しています。先行きの経済に関しては2017年に関しては従来の見通しと変わっていませんが、2018年央は0.5%ほど下方修正しています。これは前回2018年前半から上昇基調に乗ると予想した経済が半年ほど足踏みすると変更したものです。先行きに関してのブレは(2)になります。
(2) 不確実性が起きた場合の予想範囲のブレ(上段がGDP、下段がインフレ見通し)
濃い青は70%の確率で収まるとの見通しで、薄い青は90%の確率で収まるとの見通しです。
8月時点の見通しより下がったのは、可処分所得の伸びが横ばいで、家計貯蓄率が低下してそが消費に回ると予想しています。しかしながら、消費に回るか、貯蓄を維持するかは不透明となります。これが不確実の要因になっていると分析しています。
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