豪州中銀・金融政策決定会合要旨(2016年11月1日)

今回の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。

豪州中銀・金融政策決定会合要旨(2016年11月1日)

豪州中銀・金融政策決定会合要旨

豪州準備銀行(中銀)政策金利
  現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)

(中銀の委員会要旨)
今回の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。

世界経済は平均以下のペースだが拡大を続けている。先進国の労働市場は過去と比較すると改善している。しかし、世界の鉱工業生産指数や貿易は依然低く抑えられている。中国の成長は最近堅調になってきた。これはインフラ整備投資や不動産建設に支えられている。しかし、中期の成長性にはリスクが残っている。また、インフレは多くの中銀で目標以下で推移している。

商品価格は最近上昇したが、過去数年と比較すればまだ低い位置にいる。それでもより高い商品価格は豪州の貿易を下支えする。
金融市場は効果的に機能している。高格付け企業の借入コストは依然低く抑えられている。金融政策もまだ明らかに緩和基調である。各国の国債金利は最近上昇気味だが、歴史的には低い水準にいる。

豪州において、経済は緩やかに拡大を続けている。これまでの大きな鉱山関連投資の下落はその他の部門…住宅関連、公的重要、輸出など…で補ってきた。家計消費は程度な流れで伸びている。しかし、最近それが緩やかになってきた。それでも家計や企業のセンチメントは平均以上となっている。
労働市場は依然強弱ミックスしている。失業率は今年低下傾向だが、雇用の伸びが地域でまだらになり、パートタイムの雇用が強い勢いで伸びている。総じてみると、雇用は緩やかとなっている。先行き示す指標では近い将来も、雇用は拡大していくと見て取れる。

インフレは依然低い。9月末四半期の数値は予想通り、幅広い分野でインフレが1.5%以下で推移していること確認した。これは労働コストの伸び低下や世界的にインフレが低く抑えられていることによる。
これまでの低金利は内需を支え、2013年以来為替レートをより低い水準に抑え、結果貿易にはプラスとなった。企業の借入は低利でき、これらの要因により必要な調整をした結果、経済を下支えてきた。通貨高はこれらの事態を複雑にしてしまう。

中銀は生産性の伸びやインフレは3ヶ月前の見通しと変わらなかった。来年を見ると、経済は潜在成長率に近い成長となると予想している。インフレは今後2年以上経過すれば、除々に上昇すると予想している。

住宅市場は、ローン貸出などで幾分神経質な動きになってきた。住宅市場やローンの伸びはここ1年で減速した。住宅価格の上昇率も過去1年では低くなってきた。それでも幾つかの地域では価格が上昇している。

これらの利用できるデータから判断し、かつ、5月と8月会合で緩和を実施し、委員会は金融政策の据え置きを判断した。これは引き続き成長を支え、インフレ目標が将来達成できると判断した。
(要旨以上)

(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。

特段前回と変わった内容ではありません。緩和姿勢を継続しているものの、直ぐに追加緩和実施するような文言も見当たりませんでした。引き続き、豪ドル高になると問題であることには釘をさしています。
豪ドル対米ドルは金融政策発表前に1豪ドル=0.7610米ドル付近で推移していましたが、発表後は0.7650〜60米ドルまで40〜50ポイント程度豪ドルが買われています。丁度この水準は最初の抵抗線となっています。この抵抗線を越えれば0.7710が次の抵抗線になります。
据え置きは自体は予想通りでしたが、来週のNZ中銀金融政策やシカゴポジションのロング積み上がりから豪ドル安期待の向きが買い戻したと思われます。また上記のイベントをを勘案すると、上値追いもかなり厳しいと思われます。
(11月1日14時00分、1豪ドル=0.7652米ドル)

尚、次回金融政策会合は12月6日(火曜日)に予定されています。

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