米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(23/3/22)

日本時間2023年3月23日木曜日未明に発表予定です。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(23/3/22)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

NY時間3月22日14時(水曜日)にFOMC会合の記者発表要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。

(1)政策金利(3月22日 9時00分現在の予想)

現在のFFレート「4.50%〜4.75」⇒0.25%利上げし「4.75〜5.00%」
(レンジは下限4.25〜5.00%{上限4.50〜5.25%}で、0.25%利下げから0.50%利上げまでに分かれています。)


エコノミスト予想は中央値で25ベーシス(BP)の利上げ予想になっていますが、今回は分かれています。

@ FOMCメンバーの意見(下記4)を見る限り、0.25〜0.50%の利上げが順当と思われます。しかしながら、シリコンバレー銀行破綻のニュースが3月10日、その後クレディ・スイスの信用不安が15日、下記(4)内で最後のパウエル議長発言が9日ですので、金融市場の環境が大きく変わっています。
A 下記(3)のCME Fedwatchを見ても、今回は据え置きが13.6%、25BP利上げが86.4%となっており、利下げと50BP利上げはありません。従い、現状では利下げと50BP利上げはサプライズになります。
B 特に、利下げした場合はこれまでのタカ派的発言から180度回転しますので、米国内の金融システム不安が予想以上に厳しい状況にあるとの市場思惑が出る可能性があります。

C また、今回はドットプロットがでます。ターミナルレートが前回12月時と比べてどの位上がるかを注目します。下記(5)のドットプロットを見ると、5.50〜5.75%が最大ですが、この高い水準を2025年まで続くと見ている委員がいます。
D これまで全員一致の利上げでしたが、欧米金融機関の信用不安が増してきた現在、今回の投票で意見が分かれる可能性がありそうです。
以上が予想される項目と思われます。

(2) 前回2月FOMC会合での議事要旨の一部(2月1日公表)

前回も利上げ継続を確認した内容で、FFレートの目標レンジを引き下げると見ている委員は皆無でしたので、今回の要旨は注目されます。

FOMC議事要旨(一部抜粋)

FOMC議事要旨(一部抜粋)

FOMC議事要旨(一部抜粋) 2枚目の画像

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

(3)CME Fedwatch

CME Fedwatchは今回の利上げ予想を見ると、前回2月時に比べて赤字の部分の予想が無く逆に今回は青の利下げ予想が多くなっています。市場はかなりFFレート上げも最終段階に近づいてきているとの見方になっています。

(1月31日時点:前回)

(1月31日時点:前回)

(3月22日10:30時点:今回)

(3月22日10:30時点:今回)

(4)最近のFRB関係者の主な発言(最近1・2週間分程度)

3月9日 パウエルFRB議長
「ターミナルレートは予想以上に高くなる可能性」
「インフレ率は低下しているが、非常に高い水準」
3月8日 パウエルFRB議長
「次回ドットプロットはピーク金利が大幅に上昇する可能性」
「正当化されれば利上げを加速させる用意がある」 
3月4日 パーキン・リッチモンド連銀総裁 
「インフレが続く場合、想定以上の利上げが必要」
3月3日 ボスティック・アトランタ連銀総裁
「高インフレを考慮すると、FRBは多くのことをする必要がある」
3月3日 コリンズ・ボストン連銀総裁  
「追加利上げの回数は今後のデータ次第」
「インフレ抑制が最重要課題」

3月1日 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
「次回FOMCで0.25%か0.50%の利上げ」
2月28日 ジェファーソンFRB理事
「現在のインフレは高すぎる」 
2月25日 ブラード・セントルイス連銀総裁
「米国は軟着陸が可能」
2月25日 メスター・クリーブランド連銀総裁 
「インフレリスクは依然として上向き」
2月22日 ブラード・セントルイス連銀総裁
「政策金利を5%以上に引き上げる必要がある」
2月18日 ボウマンFRB理事 
「金利はまだ十分に高くない」
「更なる進展が見られるまで利上げを続ける必要がある」

(5)ドットプロット

(前回12月)

(前回12月)

(予想委員19名)



今日のFOMCは結果次第で、新たなトレンドが出る可能性ありますので、今日はどの位の値幅を見ておいた方が良いのかをみます。
下記はドル円週足チャートです。2021年1月4日週底値からのサポートA(=124円10銭)があります。次いで、2021年9月20日週底値からのサポートB(=126円70銭)にあります。これでドル高を支えています。昨年5月23日週底値からのサポートC(=127円60銭)でヘッド&ショルダーを形成しており、今回の3月8日高値137円91銭が右肩になるか否かを確認する状況にいます。Cを切れば完成します。

直近では、今年1月16日週底値からのサポートD(=130円60銭)があり、今週月曜日の底値130円54銭がサポートされています。今週足は132円09銭が寄り値になっているので、約1円50銭が長い下ヒゲとなっていますので、もし週末に132円台で終わると、目先はドルが底固くなりそうです。一方、昨年11月21日週高値からの抵抗線E(=137円80銭)が現状戻りあった場合の上値目途になります。このDとEが今日のFOMCでのレンジになる可能性が高いとみています。このDとE間には134円90銭〜135円に強い抵抗線が控えています。
今回のFOMCは利上げから利下げまで予想がありますので、結果次第で大荒れになる可能性を秘めています。

(前回12月) 2枚目の画像

(2023年3月22日11:00、1ドル=132円61銭)

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