欧州中央銀行(ECB)政策金利に関する記者発表
昨日ECB金融政策会合後に要旨の記者発表がありました。政策金利に関しては事前の予想通り、0.50%の利上げを実施しました。但し、先々の金融政策に関してはデータ次第と述べており、かつ金融機関の信用不安には流動性供給の準備があると述べています。
以下は昨日の金融政策に関する記者発表要旨です。
記者発表要旨
インフレは非常に長期間高いままであると予想されている。それ故、運営審議会は本日3つの主要ECB金利に対し50ベーシス引き上げを決定した。これはインフレを中期目標の2%にタイムリーに回帰することを確実にするための決定に沿ったものである。不確実性の高まりは運営審議会の政策金利決定に対して、データ依存によるアプローチの重要性を強めている。これは今後入手する経済・金融データ、基調インフレのダイナミックス、あるいは金融政策伝達の強さに照らし、インフレ見通しの査定をすることで決定される。
運営審議会は現在の市場の緊張性を注意深く監視しており、ユーロ圏での物価安定や金融安定を維持するために必要に応じて対応する用意が出来ている。ユーロ圏の銀行部門は強靭であり、強い資本と流動性のあるポジションを有している。どんな場合でも、ECBの政策ツールキットは必要に応じてユーロ圏の金融システムに対して十分な流動性支援を提供し、金融政策の円滑な伝達を維持するための準備が出来ている。
(ECBスタッフによるマクロ経済報告の項目は略:下表をご参照願います)
ECBの主要金利
運営審議会は3つの主要ECB金利を50ベーシスポイントの引き上げを決定した。これに従い、政策金利(主要リファイナンスオペの金利)、限界貸付金利、中銀への預金金利はそれぞれ3.50%、3.75%、3.00%である。2023年3月22日から有効となる。
資産購入プログラム(APP)とパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)
APPのポートフォリオは整然とかつ予測されたペースで減少している。これはユーロシステムが満期到来した元本支払いの全てを再投資していないからである。減少額は2023年6月までは月平均150億ユーロ、その後のペースは時間経過と共に決定される。
(以下は略。及びリファイナンス業務の項目は略)
運営審議会はインフレを中期目標の2%に戻ることを確信し、金融政策伝達の円滑な機能を維持するために、与えられた使命内で全ての手段を調整する準備が出来ている。ECBの政策ツールキットは必要に応じてユーロ圏の金融システムに対して十分な流動性支援を提供する装備が整っている。更に、伝達保護手段は、あらゆるユーロ圏に金融政策伝達への深刻な脅威をもたらす不当かつ無秩序な市場力学に対抗するために利用が可能である。従って、運営審議会が物価安定の使命に関し、より効果的に果たすことを許されている。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
ECBの3ヶ月毎の経済・物価見通し
インフレ見通しの下げは主にエネルギー価格の低下によるもの。
ユーロドルの相場は発表前に1.0610付近で推移していました。ECBは予想通りの50ベーシス利上げを実施しましたが、米欧の金融機関の信用不安が高まる中でのインフレ抑制姿勢にユーロは1.0551まで売られました。その後、預金流出が続いていた米地銀ファースト・リパブリックバンクへ、米大手銀が支援するとの発表にユーロが買い戻され1.06台を回復しそのまま引けています。
相場は昨日のECB金融政策予想時に添付したユーロドル日足チャートはまだそのまま変わらずの状況です。
尚、次回のECB金融政策は2023年5月4日木曜日に予定されています。
(2023年3月17日13:40、1ユーロ=1.0645ドル)
オーダー/ポジション状況
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