米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(3月8日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容となっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2023年2月27日以前までとなっています。経済活動は減速傾向はあるものの、全般的に緩やかに伸びているとみており、物価上昇もまだ続くと予想しています。
全般的な経済活動
全般的な経済活動は2023年初に僅かに上昇した。6地区では前回の報告以降の経済活動に関してはほとんど変化なしと報告している。一方で、6地区は経済活動が緩やかなペースで拡大したと指摘した。全体として、サプライチェーンの混乱は緩和を続けている。消費支出は全般的に安定している。ただ2・3の地区では、通常低迷時期の間でも小売売上高が緩やかな伸びから強い伸びになったと報告している。自動車販売は、在庫水準が改善を続けているけれども、全般的にほとんど変わらなかった。幾つかの地区では高インフレや一段の金利高が消費者の自由裁量で使える収入や購買力が下がり続けていると指摘している。幾つかはクレジットカード債務の増加に関して懸念を表明している。旅行や観光活動は多くの地域で強いままであった。
製造業活動は縮小の段階を経て安定している。住宅市場は抑えられ、極端な低在庫により抑制されているが、季節基準を超える予想外の上昇が東海岸の一部地区で見られた。商業不動産活動は堅調であった。産業市場ではいくらか伸びたが、オフィス市場では引き続き弱いままである。非金融サービスへの需要は全般的に堅調で、2・3の地区では持ち直した。全般的に、ローン需要は減少した。クレジット基準が厳しくなり、延滞率は上昇した。エネルギー活動は横這い乃至幾分下がった。農業の状況はまちまちである。高まる不確実性の中、聞き取り先では経済状況がこの先数ヶ月で大きく改善するとは期待していなかった。
労働市場
労働市場の状況は堅調に推移している。雇用は、一部で雇用凍結やレイオフの幾つかの報告などあるが、ほとんどの地区で控えめなペースから緩やかなペースへと拡大を続けている。労働力の利用可能性は、希望する技術や経験を持つ労働者を探すことは厳しいけれど、幾分改善した。幾つかの地区では利用可能な保育の不足により労働参加を妨げていると指摘している。労働市場は一般的にタイトな状態が続いているが、2・3の地区では企業が従業員に対する柔軟性が低下し、リモートワークへの選択肢を減らし始めていると指摘した。賃金は、幾つかの地区で賃金圧力が幾分緩和したと指摘しているが、概ね緩やかなペースで上昇している。賃金上昇は来年更に緩やかになると予想されている。
物価
インフレ圧力は、物価上昇が多くの地区で緩やかになったが、依然として広範囲に広がっている。幾つかの地区では仕入れコストが更に上昇し、とりわけエネルギーと原材料である。運賃や輸送コストは幾分緩和したと報告されている。幾つかの地区では企業がコスト上昇を消費者に転嫁することが難しいと見ていると指摘した。販売価格は多くの地区で緩やかに上昇した。幾つかの地区では減速を指摘しているところもある。住宅価格は概ね横這いかやや下落した。一方で、賃貸は安定しているかやや高くなった。それでも、住宅価格や賃貸は依然として高く、これが住宅価格の手頃さに関する懸念として寄与している。先行きについて、聞き取りでは価格上昇が年間通じて緩やかに続くと予想されている。
(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
ドル円相場はベージュブック公表後も大きな動きなく137円台前半での小動きなりました。
(2023年3月9日13:40、1ドル=136円88銭)
オーダー/ポジション状況
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