ドル円、一時135円台半ばへ下落するも米国勢参入後に反発。パウエル氏の議会証言に注目(3/7朝)

週明け6日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。

ドル円、一時135円台半ばへ下落するも米国勢参入後に反発。パウエル氏の議会証言に注目(3/7朝)

一時135円台半ばへ下落するも米国勢参入後に反発。パウエル氏の議会証言に注目

〇ドル円、東京時間に135.38で下落後米国時間に136.18まで上昇、方向感に欠ける動き続く
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言、米金利低下に米国時間に一時1.0695まで上昇
〇ドル円200日線突破に失敗し俄かロングに損切りの動き広がり反落、日銀会合は政策修正なしか
〇テクニカルには下方に複数のサポートポイント並び地合いは崩れていない
〇本日、パウエルFRB議長の上院銀行委員会での議会証言に注目集まる
〇本日の予想レンジ:135.00ー137.00

海外時間のレビュー

週明け6日(月)のドル円相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)本邦輸出企業の実需のドル売り、(3)日銀金融政策決定会合を控えたポジション調整(3/10に予定されている黒田体制下・最後の日銀会合で金融緩和修正サプライズがなされるとの思惑)、(4)上記3を背景とした円金利の上昇圧力、(5)オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(インプライドボラティリティの上昇+リスクリバーサルの円コールオーバー拡大)が重石となり、日本時間午後にかけて、安値135.38まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(6)米長期金利の低下幅縮小や、(7)短期筋のショートカバー、(8)3ヵ月物ドルLIBORの急上昇(2007年12月以来の5%越え)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値136.18まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間3/7午前5時05分時点)では、136.02前後で推移しております。尚、注目された中国の第14期全国人民代表大会(全人代)では、2023年の経済成長率目標が「5%前後」に設定されるなど、前年の目標である「5.5%前後」を下回る結果となりました。

週明け6日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間早朝に、安値1.0615まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ2月建設業PMI(結果48.6、前月43.3)の良好な結果や、(2)レーンECB専務理事による「現在の情報は3月以降の利上げ継続を示唆」とのタカ派的な発言、(3)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「3月、5月、6月、7月に50bpの利上げを行うべき」とのタカ派的な発言、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0695まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/7午前5時05分時点)では、1.0675前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏1月小売売上高(結果▲2.3%、予想▲1.8%)は市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は3/2に記録した直近高値137.11をトップに反落に転じると、昨日は一時135.38まで急落しました。(1)200日移動平均線トライに失敗したことで俄かロングの見切り売りが広がったことや、(2)今週末3/10に予定されている黒田総裁最後の日銀金融政策決定会合で、4月から始まる植田新体制に政策柔軟化の余地を残す目的として、イールドカーブコントロールの変動幅再拡大などサプライズ修正に踏み切るのではないかとの思惑が浮上していること等が背景にあると考えられます。事実、通貨オプション市場では、1week物インプライドボラティリティが高騰すると共に、リスクリバーサルも円コールオーバーが急拡大するなど、ダウンサイドを織り込む動きが急速に広がっています。但し、日本企業の大半が決算を迎える期末月(3月)という時節柄において、日銀がサプライズ修正を行ってわざわざ市場を不安定化させるとは考えづらく、こうした警戒感は杞憂に終わると推測いたします(イベント通過後は市場の焦点が再び日米金利差拡大に伴うドル買い・円売りに戻ると予想)。

また、テクニカル的に見ても、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並ぶと共に、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」や「ダウ理論の上昇トレンド」が継続しており、地合いは崩れていない(足元の下落はあくまで上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)と判断できます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、パウエルFRB議長による上院銀行委員会での半期に1度の議会証言に注目が集まります。タカ派的な発言(3月の利上げ幅拡大やターミナルレート引き上げの可能性についての言及)が見られれば、米金利上昇→米ドル買いの経路でドル円にも上昇圧力が加わりそうです。

本日の予想レンジ:135.00ー137.00

注:ポイント要約は編集部

一時135円台半ばへ下落するも米国勢参入後に反発。パウエル氏の議会証言に注目

ドル円日足

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