欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想(23/2/2)

本日ECB金融政策会合の議事内容が記者発表されます。その後はラガルド総裁の定例記者会見が予定されています。

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想(23/2/2)

欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想

(2023年2月2日木曜日:東京時間22時15分、ラガルド総裁記者会見は22時45分)

本日ECB金融政策会合の議事内容が記者発表されます。その後はラガルド総裁の定例記者会見が予定されています。
今回のECB会合では前回(0.50%利上げ)と同じ幅の利上げ予想になっています。昨日のFOMCではFRBが0.25%利上げに留まりましたが、ユーロ圏のインフレ状況は中々緩和していないので、市場は今回含めて利上げ継続の可能性が高まっています。

(1) 欧州中央銀行政策金利予想(2月2日9時00分現在)

(1)	欧州中央銀行政策金利予想(2月2日9時00分現在)

今回の注目点は
@ 最近のECB関係者発言(下記(3)をご参照願います)や(4)の議事要旨内を見ると、今回の利上げは既定路線になっており、発言では概ね50BPになっていますので、予想通りの結果になりそうです。これから外れる結果は相場に影響が出ると思います。
A 先々の利上げに関しては、継続利上げと見込んでいるECB委員が多くなっており、(2)のエコノミスト予想とは整合性が取れていません。(2)に関して、一部では今回50BP利上げですが、次回は5月会合で25BP利上げ予想との内容も散見されます。市場がもしエコノミスト数値を織り込んでいると、記者会見要旨の内容次第ではユーロ買いに繋がる可能性もでてきます。

B インフレは米国の軟化と比べると遅々とした改善になっているので、この点の議論も重要になりそうです。
C 今回会合ではAPP債の保有減少に関する詳しい内容を公表することになっており、引き締めを強めるかと見做される削減策が出るかとなります。

(2)エコノミストのECBの政策金利予想

ECBスタッフの予想ではHICPコア見通しを昨年12月に上方修正し、2023年4.2%(前回3.9%)、2024年2.8%(同2.6%)にしました。2022年末は3.9%予想でしたので、2023年はやや上昇、2024年にやや軟化の見通しです。
下記のECB政策金利の先行き予想は前回よりも50BP程度上昇していますが、もし今回50BP利上げすると、中央値では残り25BP、最大でも75BPに留まります。FFレートは昨日の利上げで4.50〜4.75%。先々の利上げ継続ですので、欧米の金利差はあまり縮小しないままになります。

(2)エコノミストのECBの政策金利予想

.

(3)最近のECB関係者の発言

1月25日 スロバキア中銀総裁  「今後2回の会合で0.50%利上げは適切」
1月25日 ドイツ連銀総裁    「政策金利は更に上昇する必要ある。」
                 「3月以降、更に引き上げる必要性があっても驚かない」
1月25日 リトアニア中銀総裁   「0.50%の利上げを継続すべき」
「コアインフレは依然高い」
1月25日 ECB専務理事    「2月以降の具体的な政策については事前に約束すべきで
はない」
1月24日 ラガルドECB総裁   「金利は依然として大幅に引き上げる必要がある」
1月23日 クロアチア中銀総裁   「0.50%利上げは引き続き合理的」              
1月20日 ラガルドECB総裁  「現状の道筋を継続することが、政策目的を果たすための
私の信念」

1月19日 オランダ中銀総裁   「0.50%利上げを複数回計画している」
                「0.50%利上げを1回に留めることは出来ない」
1月18日 フランス中銀総裁    「ECB総裁の0.50%利上げガイダンスは有効」
1月17日 レーン専務理事    「更なる利上げが必要」
1月16日 フィンランド中銀総裁 「次回会合で大幅利上げを見込む」
1月13日 ラトビア中銀総裁   「景気制約的な水準まで金利を引き上げるべき」

(4)ECB金融政策議事要旨の一部を記載しています(2022年12月15日公表分)

(4)ECB金融政策議事要旨の一部を記載しています(2022年12月15日公表分)

(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

昨日のISM製造業景況指数時に添付したユーロドルの月足チャートではかつてのサポートラインだった1.0970の抵抗線を越え、1.0970〜1.2260の大きな3角保合い内に入り込んできています。月足ですので、まだ4週間近い時間を残しているので、暫くは1.10絡みで推移することも予想されます。大きな流れで、2月はユーロ高継続への端緒になるかをみます
さて、下図はユーロドルの日足チャートです。9月28日底値からのサポートA(=1.0250)とそこから平行に上げたB(=1.0630)、更に12月15日高値を起点にして平行に上げたラインがC(=1.1030)にあります。今日以降このCを越えて終われるか否かを見たいと思います。越えた場合には更に一段の上値模索となり、月足では1.0970を長い間越えていくことが予想されます。Cで抑えられた場合は調整入りになります。

(4)ECB金融政策議事要旨の一部を記載しています(2022年12月15日公表分) 2枚目の画像

(2023年2月2日11:00、1ユーロ=1.1014ドル)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る