ユーロ圏1月消費者物価指数(HICP)速報値の予想
ユーロ圏HICP(2023年2月1日9時00分現在予想)
本日はユーロ圏の1月消費者物価指数が発表され、いよいよ2023年の数値が出てきます。前回12月は全体では予想より軟化、コアではやや上回りました。軟化の度合いも緩やかで、米国ほどのインフレ低下とはなっていません。
今回1月予想も12月からは小幅低下に留まり、ECBが許容できる数値とはなっていません。明日ECBの政策金利が公表されますが、今現在では50BPの利上げ(2.5%⇒3.0%へ)が予想され、FOMCの25BP利上げ予想よりも引き締め度合いが強くなっています。予想通りならFFレートが4.50〜4.75%になるのに対して、ECBは今回50BP上げでも3%ですから、2022年中のECBの利上げ速度がかなり遅かったことが解ります。昨年はウクライナとロシア間の戦争も勃発したため、景気配慮の利上げだったことも頷けます。現状では2023年の利上げ幅が欧州>米国と予想されていますが、戦争の長期化見通しもあり、ECBの舵取りが非常に難しくなっているようです。
尚、ユーロ圏HICPの前哨戦となるフランスの1月消費者物価指数が昨日発表され、前年比6.0%(予想6.1%)でした。12月が5.9%だったことを勘案すると、インフレは横這い状況を脱していないことになります。
下図ではECBの昨年12月時点での2023年HICP予想を入れていますが、コア平均が4.2%(下図の緑色の横線)、全体平均が6.3%(下図の赤の横線)になっており、1月はまだかなり高い水準に留まっていることが解ります。明日のECBでこの1月HICPの評価をみたいと思います。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
黒い線より右側は今回の予想値、赤はECBのHICP 2023年予想6.3%
緑はHICPコア2022年平均予想4.2%:ECBの12月時予想
下図はユーロ円の週足チャートです。昨年3月7日週底値からのサポートA(=144円80銭)は、昨年12月19日週に下抜き、Aの抵抗線に阻まれて下落し、現在は横這いを続けています。10月17日週高値からの抵抗線B(=145円25銭)が効いており、このA〜Bゾーンの上値が重くなっています。下値は昨年5月9日週底値からのサポートC(=135円45銭)があり、現在は大きなレンジでBとCの3角保合いの収斂を続けていることになります。
この間には、9月26日週と1月2日週に底値D(=137円39銭)で2回の下値トライをしているので、B・C間での最初のサポートになりそうです。
今日からのユーロ圏HICPに始まり、FOMC、ECBと重要イベントが続きますので、このB・C間での乱高下も想定する必要あるかもしれません。
(2月1日10:30 1ユーロ=141円18銭)
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