シカゴポジション(CME)371
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2023年1月24日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは全般的に小動きでした。豪ドルは我慢、NZドルは0.65台乗せで利確、円はまだショートキープながらもスクエアに近づく動きとなり、ユーロはロングを積みましてきました。
まず豪ドルですが、豪ドルショートが先週以上に厳しい状況となっています。売り買いも少なくネットポジションもほとんど変わりません。相場は締日ベースで、12月20日の0.6677(ネットショート▼34,115枚)を底値に豪ドルはジリ高で1月24日締日は0.7047です。今現在は0.71絡みなので500ピップス近くの上昇になっています。一方のNZドルは12月27日締日が0.6275の底値で、その前週からロングを積み上げ、24日締日が0.65台ですので、見事に利確したことになります。オセアニア通貨の括りで見れば、NZドルのロング減で、シカゴは現水準がオセアニア通貨の高値水準と見ていることになります。豪ドルはどこまで踏ん張れるかを見たいと思います。今週のFOMC〜来週7日の締日には豪州中銀の金融政策が控えています。
円はさらにポジション調整をしてきました。直近では最大のドルロングが昨年10月25日締日の102,618枚で、締日終値が147円93銭、前週の21日に151円95銭の高値を付けています。ここからポジションを大幅に減らしていますが、3ヶ月間もドルロングをキープしています。相場は高値から20円以上の急激な円高ですので対応しきれていないようです。シカゴはここからポジョションの引っくり返しが出来るかの判断がつかない状況の様です。
ユーロは再びユーロロングを積み上げてきました。1.09台になると一部の利確をしている様ですが、ECBで一気に1.10台乗せになるか注目したいと思います。乗せてロング10万枚以上のポジションキープなら、かなりのユーロ先高を見ていることになります。
先週のシカゴは、ロング1,100枚減、ショートは2,800枚増で、ネット3,900枚のロングを利確してきました。ただショートサイドの2,800枚は両建てにしているので、完全な手仕舞いとはなっていません。ネットポジションが2,200枚弱になっているので、NZドル高の相場観は一度目標までにきたとの見方になります。下図のチャートを見ると、チャート内の黒のNZドル安トレンドラインが0.5780〜0.6500にあり、締日終値が0.6504でしたので、ほんの僅か上抜けていますが、綺麗に止まっています。また10月11日締日底値からの緑のサポートは0.6350付近にあります。
さて実際の相場は、先週「…流れはNZドル高を維持しており、上値は高値を結んだ抵抗線0.6533〜36、越えると昨年6月高値の0.6577、0.6640辺りまでの余地が広がります。一方、サポートは0.6440、0.6410、0.6370にあり、最後切れると押しが深くなります」としましたが、1月18日の高値が0.6532、先週24日の上値トライも0.6527迄ですので、0.6530の横抵抗線で止まっています。次回トライは3回目ですので、抜け易くなる一方、3回目でも止められると下押しが大きくなる可能性が高まります。
上値はこの0.6530〜40を抜けて終わるかをみます。下値は目先のサポートが今日0.6425にあり、金曜日には0.6450サポートになります。現状はこの0.6425〜0.6536レンジの収斂になりますが、FOMC乃至豪州中銀金融政策でどちらかに抜ける可能性は高いと思います。下限を切れた場合は0.6400〜10、0.6370、0.6320の順にサポートがあり、強いのは0.6240〜50サポートです。上値は0.6540を越えると、0.6570〜80、0.6640辺りが次の上値目途になります。(1NZドル=0.6495米ドル、1月30日14:20)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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