豪州政策金利決定会合要旨
(2016年10月4日開催分)
豪州準備銀行(中銀)政策金利
現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)
(中銀の委員会要旨)
今回の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置きを決定した。
世界経済は平均以下の伸びだが、緩やかに成長を続けている。先進国の労働市場は過去数年間では改善を続けている。しかし、鉱工業生産指数や貿易は依然低調なままである。中国の成長は緩やかなものに留まり、インフレも中銀見通し以下で推移している。
過去数年間に亘り下落していた商品価格はここ数か月では上昇している。より高い商品価格は豪州の貿易を下支えしている。但し、その価格は依然として過去数年間の価格よりは非常に低いまま推移している。
金融市場は引き続き機能的に推移している。世界的に高格付け企業の借入コストは低いままで、金融政策は明らかに緩和基調を継続している。各国の国債は歴史的に低い水準にいる。
豪州経済は緩やかな割合で成長を続けている。過去の鉱山関連投資の大幅な下落はその他部門…住宅建設、公共需要、輸出増など…の成長で相殺された。家計支出はほどよいペースで伸びているが、最近そのペースが下がっている。それでも家計や企業センチメントは依然平均以上になっている。
労働市場は好悪混ぜ合わさった状態である。失業率は下落を続けている一方、地域毎でかなりのばらつきがある。パートタイムが非常に強い状態を保っている一方で、フルタイムの雇用は弱い。先行き示す労働指標は労働市場での拡大を示している。
インフレはまだ弱い。低い労働コストや世界的なコスト低下傾向を受けており、まだ続きそうである。低い金利により、国内需要や貿易部門を支える為替レートが安くなるように支えている。これらの要因が経済構造を調整するようにしながら、経済成長を助けている。しかしながら、最近の通貨高がこれを複雑にしている。
住宅関連の借入に関しては、借入基準を強めており、最近ではあるセクターへの貸出には注意を払っているようだ。従い、住宅貸出は最近では鈍化傾向となっている。住宅市場の出来高も下がってきている。但し、下がり方は1年前と比較して低くなっている。
以上利用できるあらゆる情報をもとに、5月と8月には緩和を実施したが、今回の会合では据え置きと判断した。このスタンスにより今後も経済を持続的に拡大させ、インフレを目標内達成できると判断した。
(要旨以上)
(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
特に前回と変わった点はありません。最近の豪ドル高にも前回同様の内容で言及しています。
緩和基調を維持するスタンスには変更ありませんが、直ぐに追加緩和に向かう姿勢も見当たりません。暫く、緩和効果を見守る姿勢を続けていく内容になっています。
豪ドル対米ドルは金融政策発表前に1豪ドル=0.7675米ドル付近で推移していましたが、発表後は0.7660米ドルまで15ポイント位の下落に留まっています。据え置きは予想通りで、要旨も前回とほとんど変らない内容ですので相場へのインパクトは少なくなっています。従いましてこれからの経済指標次第、あるいは豪ドルの相場次第で追加緩和のタイミングを図るものと思われます。(10月4日13時30分、1豪ドル=0.7666米ドル)
尚、次回金融政策会合は11月1日(火曜日)に予定されています。
(中銀キャッシュレート推移)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:橋本 光正
2016.10.04
豪州8月小売売上高予想(2016年10月4日)
2014年央以降は前月比伸びを見ると、ほとんど前月比マイナスはなく、最低でも0%なので小売売上高自体は依然として右肩上がりを続けています。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:編集人K
2016.10.04
豪州中銀政策金利据え置き(2016年10月4日)
豪州の中央銀行である準備銀行は政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを事前予想通り1.5%に据え置くと発表しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。