南アランド週報:『約2週間ぶり安値圏へ急落。株安・債券安・通貨安のトリプル安へ』(8/20朝)

南アランドの対円相場は8/12に記録した約1ヵ月ぶり高値8.25円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時8.01円(8/5以来、約2週間ぶり安値圏)まで急落しました。

南アランド週報:『約2週間ぶり安値圏へ急落。株安・債券安・通貨安のトリプル安へ』(8/20朝)

『約2週間ぶり安値圏へ急落。株安・債券安・通貨安のトリプル安へ』

〇今週の南ア円、週初8.24まで上昇後週末にかけ一時8.01まで急反落
〇中国景気後退懸念、南ア指標不冴え、金・プラチナ価格の反落等が重石に
〇テクニカルには、主要サポートポイントを軒並み下抜け地合い悪化
〇ファンダメンタルズも南ア経済先行き不透明感等、南ア円相場の下落を連想させる材料揃う
〇来週も今週同様、南アランド円相場の続落リスクに特に注意が必要か
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.85ー8.15

今週のレビュー(8/15−8/19)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.22円で寄り付いた後、早々に週間高値8.24円まで上昇しました。しかし、90日移動平均線に続伸を阻まれると、@南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気後退懸念(今週発表された中国7月固定資産投資、中国7月小売売上高、中国7月鉱工業生産が軒並み悪化)や、A南ア6月小売売上高(結果▲2.5%、予想▲0.1%、前回+0.1%、※前年比)の大幅悪化、B米当局者による相次ぐタカ派発言(サンフランシスコ連銀デーリー総裁、セントルイス連銀ブラード総裁、カンザスシティ連銀ジョージ総裁、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁)、C上記Bを背景とした米長期金利の反転上昇(新興国から米国への資金流出圧力)、D金・プラチナ価格の冴えない動き(南アフリカの主要産品である貴金属市場の急反落→南アフリカの交易条件悪化懸念)、D南ア株・南ア債の急反落が重石となり、週後半にかけて、週間安値8.01円(8/5以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/20午前4時40分現在)では、8.03円前後で推移しております。

来週の見通し(8/22−8/26)

南アランドの対円相場は8/12に記録した約1ヵ月ぶり高値8.25円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、一時8.01円(8/5以来、約2週間ぶり安値圏)まで急落しました。この間、主要サポートポイント(90日移動平均線や21日移動平均線、一目均衡表転換線や基準線)を軒並み下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります(心理的節目8.00円を下抜けできれば、8/2に記録した安値7.86円が射程圏内に)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米長期金利の反転上昇(米当局者による相次ぐタカ派発言)や、A上記@を背景とした南アフリカから米国への資本流出懸念、B南ア経済の先行き不透明感(ストライキの発生やエスコム社の電力負荷制限、景気後退とインフレ高進が同時進行するスタグフレーション懸念の発生など悪材料目白押し→南ア経済指標は、先週・今週と2週続けて冴えない結果)、

C南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念(今週発表された中国主要経済指標が軒並み下振れ→中国のリセッション懸念台頭)、D南アフリカの交易条件悪化懸念(金・プラチナ価格の急反落)など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が揃っています。こうした中、来週は8/23に予定されている南ア4ー6月期失業率や、8/24の南ア7月消費者物価指数(CPI)、8/25の南ア7月生産者物価指数(PPI)に注目が集まります。上記インフレ指標(CPIやPPI)が市場予想を上回る場合には、「インフレ加速→スタグフレーション懸念が燻る中での南ア中銀による追加利上げ→南ア経済への更なる逆風→南アランド売り」の波及経路が意識され易くなることから、来週も今週同様、南アランド円相場の続落リスクに特に注意が必要でしょう(株安、債券安、通貨安のトリプル安が当面続く恐れ)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.85ー8.15

注:ポイント要約は編集部

『約2週間ぶり安値圏へ急落。株安・債券安・通貨安のトリプル安へ』

南アランド円日足

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