シカゴポジション(CME)337
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年05月31日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは豪ドルを除き、米ドルロング減になりました。全般的に円独歩安に近い流れでしたので、その中で米ドル売りになった様です。まずオセアニア通貨ですが、先週も自国通貨高の相場展開でしたが、ポジションは自国通貨安の相場観を維持しています。どこまで相場観を維持できるのか、そろそろ微妙な時間帯に入ってきている感じがします。
豪ドルですが、目安となる5万枚前後をキープしているので豪ドル安相場観は引き続き維持しています。ポジションとはアゲインストの相場になり総枚数を減らしています。総枚数では10万枚が1つの下限目安ですので、明日の締日も減らしてくる可能性があります。このまま行けば利確できる豪ドルロングが減るので、いずれ売り増しか損切りしかありません。今後2〜3週間ではっきりしそうです。NZドルも総枚数を減らして、ポジション自体もロング損切り優先になっています。NZ自体は完全に持ち値のコスト割れになっているので、豪ドル以上に損切りの可能性が高くなっています。その意味でオセアニア通貨が底固くなるかもしれません。ここまでは米国の大幅利上げ期待による米ドル先高観も1材料と思われるので、来週締日辺りの数値が重要になりそうです。その前にオセアニア通貨高になれば、可能性として売り上がりもあり得るかもしれません。
円は目安の10万枚からほとんど変わらず、相場は日足で3回目の131円絡みまでトライしていますが、シカゴはドル先高観を強めたポジション形成とはなっていません。先週締日のNY終値が128円67銭、その前日に126円86銭の底値があったにも関わらず、ネットポジションが変わっていません。明日の締日で12万枚を越えるネットロング(次の目安である15万枚方向狙い)になっていなければ、市場が見ている円全面安の流れを、現状のシカゴは見ていないことになります。今後2〜3週間のネットポジション動向をウォッチしたいと思います。ユーロは目安となる5万枚に乗せてきました。これでユーロ先安観を形成したことになります。今後は直ぐに10万枚方向に積み上げるか、この5万枚をキープしながら次の1手になるかをみます。前者なら最近のユーロ高傾向が続くと見做し、後者なら暫くは1.08台前半にある抵抗線の動きと見る形になりそうです。明日の締日後、9日にECBの金融政策あるので、再来週のポジション残になります。
先週のシカゴは、ロング1,600枚減、ショート2,200枚減で、差し引き600枚のショート減になりました。引き続き含み損を抱えた状態で、総枚数減によるリスク減です。現状のスポットではこの目安となる2万枚から大きく越えるショートを積み増していく期待はし難いと思います。チャートを見ると、締日終値ベースでもNZドル安トレンドライン0.6430〜0.6920内に入ってきました。〇印はネットポジションを示していますが、ここ1年間でも大きくショートを積み上げています。下限サポート0.6430は明日の締日で、そこまで落ちてくれるか、明日の豪州中銀の金融政策の結果次第になりそうです。
さて、実際の相場は、先週0.6540〜50に抵抗線があり、ここを越えた場合の抵抗線として、0.6580〜90、0.6650〜60、0.6700〜10の順にあるとし、更にNZドル上昇トレンドラインが0.6440〜0.6590(金曜日には0.6490〜0.6640になります)にあり、その上限がほぼ最初の抵抗線と同じになるので、ここが最初に当たるポイントとしました。実際の高値は0.6577まで、実体は0.6555で全て止まり、上値が抑え込まれました。そのNZドル上昇トレンドラインが0.6490〜0.6640ですので、今週は逆にこのサポートが守られるか否かになっています。もし、下限を切った場合には、0.6460、0.6420、0.6380〜90の順にあるサポートを試す流れです。この場合はシカゴポジションには良い方向となります。上値は0.6550、0.6570〜80、0.6610、0.6640の順に抵抗線控えています。(1NZドル=0.6502米ドル、6月6日13:25)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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