NZ/円、短期は若干強気。中・長期トレンドはNZ弱気。
ニュージーランドの景況感は引き続き好調ですが、NZ中銀はNZ高による貿易取引への悪影響や輸入価格の下落による物価の押し下げ圧力に警戒しており、金融緩和気味の政策を維持しています。一方で足元の景気の良さを映して住宅価格の上昇傾向や、金融資産価額が高い水準にあることから、バブル的な動きにも注意を払う姿勢を示しており、利下げ余地も徐々に限られて来るものと見られます。為替相場については、対米ドルでは年初からの下値を切り上げる流れに変化が認められませんが、対円では円高の流れがより強く、円高/NZ安が継続中です。
チャートを見ると、日足は8/17に付けた72.23を直近安値として下値を切り上げる流れにあります。また、この間に7/12に付けた76.85を直近高値とするトレンドラインからも上抜けた位置で推移しており、短期トレンドはNZ強気の流れに入っています。日足の上値抵抗は75.00-10に、下値抵抗は74.10-20にあります。21日移動平均線は73.25にあり、これをしっかり上抜けて短期トレンドはNZ強気の流れにあります。
一方、直近の週足は陽線引けとなり、上値を切り下げる流れからは抜け出し切れずに終えていますが、一方で、6/24に付けた69.33で一旦底打ち、下値を切り上げる流れを維持しており、72円割れで越週しない限り、下値余地も拡がり難い状態にあります。今週の週足の上値抵抗は74.80-90に、下値抵抗は72.00-10にあります。31週移動平均線は74.60にあり、現状は若干これを上抜けて推移していますが、ダマシの範囲内です。また、62週移動平均線は77.29にあり、上値を押え込んだ状態にあります。
しかし、月足を見ると、8月足が小陽線で終えており、終値ベースでは74.98とかろうじて月足の下値抵抗を守って越月していますが、この足が上昇余力に欠けるものであることや、上値を切り下げる流れから上抜けていないこと、2009年2月に付けた大底44.25を起点として下値を切り上げて来た月足のサポートラインが9月は75.50-60に位置していることから、76円超えで越月しない限りは下値リスクがより高い状態にあります。また、値動きの中で72円割れを見た場合は、70円割れ方向への一段の下落リスクに注意が必要となります。31ヵ月移動平均線は83.34に位置しており、上値を押え込んでいます。
NZ/円【週足】
(8/31現在31週移動平均線は74.60にあり、若干上抜け始めているがダマシの範囲内。62週線は77.29にあり中・長期トレンドはNZ弱気の流れにある。)
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