シカゴポジション(CME)304
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年10月12日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、ドル円を除き、米ドル売りになり、前々週の全く逆になりました。先週火曜日の締日で円売り他通貨買いで、円全面安を裏付けています。先週の水曜日以降も円売りが一段と強まっているので、円だけドル買いが続いている可能性あります。
さて、豪ドルは僅かながら、豪ドルショートのポジションを減らしています。しかも総枚数(1万4900枚)を大きく減らしてリスク低減しているので、そろそろ豪ドル先安の相場観を変えてくるかもしれません。3週以上続いた0.7170〜0.7340レンジの横這いも上抜けているので、ポジョション的には含み益が減ったことになります。明日の締日でショート膨らませればまだ豪ドル先安観維持になりますが、一段と減った場合には今後の豪ドル押し目でポジション解消の動きに繋がるので、豪ドルが底固くなる要因になります。NZドルは押し目で僅かながらもロングを積みましてきました。
総枚数を4,500枚増やし、かつNZドル押し目での買いとなっています。相場も心理的壁である0.70台を回復し、豪ドル対NZドルでも先週締日が高値(1.0620NZドル)で、その後150ピップス程度NZドルが買い戻されているので、NZドル先高観に自信を持ってくれば、対米ドルでNZドル高継続になります。オセアニア通貨の括りでいけば、豪ドルのレンジ上抜けなどもあり、ややオセアニア通貨高方向の動きに入り始めている可能性高くなっています。
円は一段とドルロングを積み上げてきました。先週の締日で113円80銭付近が高値でしたので、明日の締日で現状からロング増やせば時間経過で10万枚乗せとなるかもしれません。シカゴポジションをみると円全面安が顕著になっているので、この意味でも円売りはまだ続く可能性あります。
懸念はポジションキープ期間の1相場が6〜9ヶ月間となっており、今回は既に7ヶ月経過しているので、残り2ヶ月程度でどこまで上値を見ているかとなります。チャートではドルが急騰したのが112円越えからですので、112円未満の終値になった場合に押し目買いになるか、手仕舞いしてくるか注目したいと思います。ユーロドルは4,000枚程度ですが、ユーロショートを減らしてきました。まだユーロ一段安の相場観を持っていません。先週想定されるユーロショートの持ち値が1.16と見ましたが、現スポットはほぼその位置にあり、現状では1.15を大きく下回るユーロ相場観を持っていないようなので、まだスクエアと見ておいた方が良いと思います。
先週のシカゴは、ロング2,600枚増、ショート1,900増で、差し引き700枚のNZロング増になりました。前々週まで上限1万枚を目安に一度ポジション調整に入りましたが、再度ロングを積み上げているので、ある程度NZドル先高観に自信を持ち始めているかもしれません。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドライン0.6770〜0.7120内の中央付近で横這いを続けています。シカゴはNZドルロングの先高観を持っているとは言え、まだ上限を抜ける雰囲気のないチャートになっています。但し、相場が0.70台に乗せてきたので、やや持ち値も改善しているようです。
さて実際の相場は、今年2月高値からの抵抗線が0.7105〜15まで下がってきています。前週までは上値余地をかなり残していましたが、現在は残り50〜60ピップスとなっています。ここが維持されればトレンドはNZドル安の継続です。再度0.7020〜30、0.7000、0.6970〜80の順にあるサポートトライになります。逆に上抜ければ、シカゴポジションにはフェイバーとなります。抵抗線としては0.7170、0.7210〜20、0.7250にあります。流れが変わる可能性高いので、0.7105〜15は重要な抵抗線になっています。(1NZドル=0.7065米ドル、10月18日14:15)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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