米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事録要旨
(2021年9月21日・22日開催分)
昨日、FOMC議事録の公表がありました。今回の要約はテーパリングに関する議論の箇所を中心にお送りしています。テーパリング開始時期の検討は次回会合で行われることになりそうですが、注目される将来の利上げに関する議論が出るか否かは今後の経済指標(特にインフレ関連)次第になりそうです。
次回は11月3日(水曜日)に予定されています。
参加者による現状の経済状況と見通し
参加者は資産購入ペースの遅らせ方を如何に進めていくかについて表明した。とりわけ、スタッフにより示され、かつ資産購入のテーパリングに関連したスピードやその構成を示した7月会合での参加者が議論した内容を反映した実例となる道筋について論評した。実例となるテーパリングへの道筋は、コミュニケーションが簡単になるように設計され、もし年末から開始されるなら、来年央頃までには購入が終了されるという純資産購入ペースの緩やかな減少を必然的に伴うようになされている。その道筋は、国債の場合には100億ドル、不動産担保債券の場合には50億ドルといった、毎月の資産購入ペースの減少から成っている。
参加者はこの実例となる道筋が、単純でかつ適切なテンプレート(体裁)で用意されていると論評している。その体裁は、政策立案者が従えるものであり、幾人かの参加者は、純資産購入を緩やかにした時に市場が反対のリアクションを取るリスクを減じられる線に沿った一般的計画に対し、事前通知を与えてくれると認識している。資産購入のテーパリング開始に対しその成果に基づく基準に留意しながら、もし経済進展が望んだものとは実質的に違ったものとなったら、参加者は委員会が資産減少ペースを調整できることを確認した。幾人かの参加者は実例に記載されているよりもより早い縮小を進めることが好ましいと指摘した。
資産購入の緩和を進めていく決定はこの会合ではなされなかったが、参加者は経済回復が幅広く軌道に乗るなら、来年半ば頃までに終了する緩やかなテーパリングの過程が適切であろうと評価した。参加者はもしテーパリングを始める決定が次回会合で起きたなら、テーパリングの過程は11月央か12月央に始まる毎月の購入日から始めることができると指摘した。
(以下は要約を箇条書きにしています。)
リスク管理に関する考慮すべき事項、資産購入に関する考え方、あるいは適切な政策スタンスを考える上で、
・下振れリスクとして、金融市場の潜在的引き締め情勢、Covid-19の新たな上昇やそれによる経済回復の遅れ、過去に行った支援が後退した時の逆風など
・上振れリスクとして、追加の拡張的な財政行動、パンデミック中に蓄積された家計貯蓄を減らしていく中で、予想よりも消費支出が上昇した場合、
(インフレに関しては)、
・労働力やその他の供給不足が現状の予想よりも長く続く可能性、長期的なインフレ予想が目標である2%を上回る可能性など。
・インフレ期待が下がる可能性、すなわち国民がFRBの反応関数が実際よりも緩和的でないと誤解することで、インフレが下がる
(尚、今回の会合もFRBの政策行動に対する投票は全員賛成で、反対は1人もいませんでした。)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
FOMC議事録公表後のドル円相場はややドルが緩んだ程度で、ほとんど小動きとなりました。次回11月会合では、将来の利上げに関する議論が起きれば、米金利高に影響を与えそうですが、そこまで突っ込んだ議論になる可能性はまだ低い感じです。
(2021年10月14日13:40、1ドル=113円58銭)
オーダー/ポジション状況
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