ドル高基調続くも、上値重く上げ渋りか(10/14夕)

14日の東京市場はドルが小じっかり。レンジそのものはさほど広くないが、早朝を安値に積極的なドル買戻しが観測されていた。

ドル高基調続くも、上値重く上げ渋りか(10/14夕)

ドル高基調続くも、上値重く上げ渋りか

〇本日のドル円、一時113.60レベルまで値を上げ底堅くドル高値圏で推移
〇米消費者物価は5ヵ月連続で前年比5%以上の数字を記録、根強いインフレ圧力を示す結果に
〇下値メドは113円前後、しっかり割り込めばやや深めの押しが入る可能性も
〇本日は9月生産者物価指数や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-113.90、昨日高値113.80が目先の抵抗

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場はドルが小じっかり。レンジそのものはさほど広くないが、早朝を安値に積極的なドル買戻しが観測されていた。

ドル/円は、寄り付いた113.20-25円を日中安値にじり高推移。日米株価や金利の動きなどを注視しつつ、一時113.60円レベルまで値を上げている。そのレベルでは上げ渋り揉み合いになるも底堅く、16時現在では113.45-50円、日中のドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、本日の東京時間は円安とともにドル安の動き。たとえば、ユーロ/円が7月6日以来の高値を付けるなどクロスは軒並み、数ヵ月ぶりという高値圏での推移をたどっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米金融政策」について。
前者は、中国の王外相がチリ外相と電話会談を行ったうえで、「TPP加入支持を取り付けた」ことを明らかにした。外堀を埋める動きだが、日豪をはじめ加入を疑問視する国はいまだに多いことは間違いなく前途は多難か。また別途、中国国内で大規模な停電が発生し電力不足が深刻になっていることを受け、同国政府が「脱石炭」政策を一転させ、石炭の増産に乗り出すことを示唆している。やむにやまれぬ措置とはいえ、今後は国際協調との整合性を如何にして図るのかが注目されそうだ。

対して後者は、発表された米消費者物価はほぼ予想通りの結果ながら、前年比では5ヵ月連続で5%以上の数字を記録するなど根強いインフレ圧力を示す結果となった。そうしたなか、公表された米FOMC議事録要旨で、テーパリングの11月半ばあるいは12月半ばの開始で当局者の意見がおおむね一致したことが明らかに。予想よりも強気の内容といえそうで、米株が調整を経たのち持ち直せば、今後再びドルの支援要因として取り沙汰されることになりそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は連日の高値更新。昨日は一昨日高値113.78円を2銭上回る113.80円を示現している。これまでのドル上昇ペースは速く、昨日の動きをみると、さすがに荷もたれ感がうかがえるようになってきた感は否めないものの、リスクという点では引き続き上方向にバイアスか。ペースはこれまでより落ちるにしても、114円台乗せに向けたドル高・円安の流れは続く見込みだ。
米金利動向への関心が高いという状況にいまだ変化なし。ただ、米インフレは予想よりも長期化との見通し、それを受け前述したような当局の見解もジワリと強気の度合いを増してきた感がある。単純に日米金利差を着目した場合には、ドルを積極的に売り込んでいく材料は乏しいと言わざるを得ない。なお、本日も引き続き発表される米経済指標のほか要人発言、金融機関を中心とした米企業決算発表などが注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は直近安値からの上昇幅が4.7円ほどへと達してきたが、大きな流れに変化はないようだ。114円半ばなど次のテクニカルポイントを目指し、ドル高傾向はまだ当面続く公算が大きい。
ただ、改めて指摘するまでもなく上昇スピードがかなり速いことは気掛かりで、一時的な調整が入っても不思議はないだろう。ちなみに、その場合の下値メドは取り敢えず113円前後か。ただ、しっかり割り込めばやや深めの押しが入る可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には、「電力不足」もあり政策転換したことが物議を醸す「中国情勢」のほか、本日午後に衆院が解散して総選挙モードに突入した「日本の政局」、「新型コロナ関連」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表されるほか、引き続き米地区連銀総裁らによる講演など発言機会が相次ぐ。また、シティグループなど米金融機関を中心とした決算が発表される見込みで、こちらも引き続き要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.00-113.90円。昨日高値113.80円が目先の抵抗。ちなみに同レベルで2日続けて上げ止まっておりかなり強い抵抗となっている感もある。超えればいよいよ114円台乗せか。
対するドル安・円高方向は、11日の欧米時間に113円台をしっかり上回ったのち、一度も113円を下回っておらず、実需筋のビッドがジワリと切り上がっていることは間違いない。まずはそんな113円前後の攻防に注目だ。

ドル高基調続くも、上値重く上げ渋りか

ドル円日足

※ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る