トルコリラ円見通し 12.50円前後から12.60円前後までの持ち合いでジグザグ推移
〇昨日のトルコリラ円、12.57から12.48の取引レンジ、6日早朝終値は12.55の円安リラ高
〇リラ売り一巡で12.50挟んだ持ち合い、9/2高値13.32を起点とした下落一服だが下放れに注意
〇ドル/トルコリラ、利下げショックと金融政策不透明感から10/1以降8.85挟みもみ合い
〇9月消費者物価指コア指数は前年比17%へ上昇、政策金利追加利下げの余地ある数字
〇12.55以上での推移中は上向き、12.62以上は反落警戒圏とみる
〇12.55以下での推移中は下向きとし、12.48割れからは12.43から12.40を試すとみる
【概況】
トルコリラ円の10月5日は12.57円から12.48円の取引レンジ、6日早朝の終値は12.55円で前日終値の12.51円からは0.04円の円安リラ高だった。
9月23日のトルコ中銀利下げからの一段安で9月27日には12.42円を付けて6月2日安値12.44円を割り込み昨年11月6日の史上最安値12.03円以来の安値水準となったが、イベント通過によるリラ売り一巡でその後は12.50円を挟んでの持ち合いで、日足で見ればほぼ横ばいの推移にとどまっている。9月2日高値13.32円を起点とした下落の一服ではあるが、下げ渋りで横ばい程度だと次のきっかけから持ち合い下放れに向かいやすい状況が続いていると注意する。
【対ドルでの下落一服だが一段安状態から抜け出せず】
ドル/トルコリラの10月5日は8.89リラから8.82リラの取引レンジ、6日早朝の終値は8.87リラで前日終値の8.85リラからは0.02リラのドル高リラ安だった。
9月23日のトルコ中銀による予想外の利下げによるショック安で9月24日高値8.89リラへ下落して6月25日のそれまでの史上最安値8.80リラを割り込み、9月29日には8.9557リラまで最安値を切り下げたが、その後は利下げショックによる売り一巡とドル高の弛みから買い戻されて10月1日は8.80リラまで上昇した。だが、利下げショックを引きずった状況には変わりなく、トルコ中銀及び大統領による先行きの金融政策姿勢への不透明感から本格的なリラ買いには進めず、10月1日以降は8.85リラを挟んでの揉み合いが続いている。
【今後のトルコ物価上昇率見通しと中銀の追加利下げ姿勢を判断してゆく時期】
10月4日のトルコ9月物価指数の発表を通過したことで、次は10月11日の失業率、10月12日の小売売上高等を経て10月21日の次回トルコ中銀金融政策決定会合へ向かうことになる。
9月8日にカブジュオール中銀総裁が「政策金利の判断としては消費者物価上昇率の全体ではなくコア指数を基準とする」旨の発言を行い、8月の消費者物価コア指数が16.8%だったことで政策金利を19%から18%へ引き下げることができた。10月4日発表の9月消費者物価コア指数は前年比で17.0%となり8月から若干上昇したが、まだ18%の政策金利に対しては利下げ余地のある水準といえる。
トルコの物価上昇が極めて高水準となっているのはリラ安による通貨インフレ効果に加えてコロナ不況からの景気回復途中におけるサプライチェーンの目詰まりによる国際原材料相場の上昇であり、特に原油価格の高騰が主要分野全体の上昇に影響している。9月の物価上昇率でも目立つのは食品・飲料の前年比28.8%、生活雑貨の23.2%、レストラン等の23.2%等であり、輸送も20.2%上昇となっている。国際原材料相場の高騰が落ち着かないとこうした全般状況もなかなか改善してゆかず、追加利下げも躊躇されることになるのだろうと思われる。
生産者物価上昇率で見れば、エネルギー部門は前年比62.38%の上昇で、電気ガスは50.1%の上昇となっている。9月の生産者物価上昇率は前月からやや鈍化しており、このまま10月も低下なら頭打ちの傾向となり消費者物価も抑えられ始めるが、そのためにはやはり原油価格の高騰が収まる必要がありそうだ。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月28日午後高値以降は12.50円前後から12.60円前後までの高安レンジ内でのジグザグ推移が続いているが、現状は9月30日昼安値から3日目となる10月4日深夜安値で底を付けて戻しているところと思われる。9月30日夜高値を基準とすれば高値形成期は5日夜から7日夜にかけての間と想定されるのでまだ上昇余地ありとするが、既に反落注意期にも入っているので4日深夜安値12.48円割れからは新たな弱気サイクル入りとして7日夜から11日深夜にかけての間での下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月4日深夜安値からの上昇が続いて遅行スパンが好転、先行スパンを上抜いているため、遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は60ポイント台へ上昇しているので、50ポイントを支持線としてまだ上昇余地ありとするが、ジグザグ推移の継続中のため70ポイント手前では反落に転じやすいとみて、50ポイント割れからは下げ再開を疑う。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12.48円を下値支持線、9月30日夜高値12.62円を上値抵抗線とする。
(2)12.55円以上での推移中は上昇余地ありとし、12.62円超えからは12.67円前後への上昇を想定するが、12.62円以上は反落警戒圏とみる。
(3)12.55円以下での推移中は下向きとし、12.48円割れからは12.40円台序盤(12.43円から12.40円)を試すとみる。12.40円以下は反騰注意とするが、12.50円以下での推移なら7日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
10月07日
20:00 外貨準備高(グロス) 10/1時点 (9/24時点 828.4億ドル)
10月11日
16:00 8月 失業率 (7月 12.0%)
16:00 8月 経常収支 (7月 -6.83億ドル)
10月12日
16:00 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 -4.2%)
16:00 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 8.7%)
16:00 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.7%)
16:00 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 12.3%)
10月21日
20:00 トルコ中銀の次回金融政策決定会合
※ポイント要約は編集部
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