豪州株式・NZ株式及び為替の動き44
豪州ドル対NZドル相場
前回のレポート(6月9日付:1豪ドル=1.0760NZドル)以降、6月14日に1.0824の豪ドル高値を付け、その後は一貫して豪ドル安となり、9月16日に目先の底値1.0276を付け、現在は1.0428(9月29日9時30分)絡みまで反発しています。
今回も、高値・安値を付けた前後3〜4回分のシカゴネットポジションの枚数を見ると、豪ドルショートを増やし始めた6月15日の締日前日に対NZドルで高値を付け、その後はショート増大に連れて豪ドル安を継続し、9月16日に1.0276の底値を付けています。シカゴポジョションはオセアニア通貨の括りとしては、今現在、真逆のネットポジションを有しており、かつ豪ドルは対米ドルでここ数年間では最大に近いネットショート枚数となっているので、ここから先も豪ドル売り・NZドル買いが継続するのか注目されます。
さて、前回6月のレポートで、
「(前略)…下図(2)の2015年以降のチャートでは1.0330〜1.0930付近で3角保合いを形成しています。この中で1.0440にも比較的強いサポートがあり、狭いレンジでみると1.0440〜1.0930になります。
このレンジ内の抵抗線は1.0880、1.0840〜50、1.0780〜90の順にあります。サポートは1.0620〜30、1.0510〜20、1.0400〜10の順にあります。相場は2013年から始まった3角保合い収斂が続いているので、まだ暫くはその流れが継続すると思います。レンジ内で、引き付けての買い・売りの取引となりそうです。」
としましたが、9月16日に下ヒゲだけサポートを切れています。文中のチャートは月足終値ベースですので、明日のNY終値で1.0330を切れて終わるかを確認したいと思います。尚、実際の相場では、この下には横サポートとして1.0240〜50に比較的強いサポートがあり、もしこれをも割ると、1.0000〜10サポートの3回目トライになります。一方で1.0330サポートを守りきったら、ほぼ3ヶ月に亘る豪ドル安NZドル高の動きが反転する可能性に繋げることができそうです。
下図(1)の2011年からのチャート(月足終値ベース)では、依然として2013年以降の青い3角保合い(レンジは1.03〜1.11辺り)の収斂中となっています。また、実際の相場で、ローソク足の月足ではヒゲを結んだ1.000〜1.1050(前回は1.000〜1.1070)の緩やかなディセンディングトライアングルを継続しています。下限を一段上げた横サポートであれば1.0250〜1.1050になります。当面は1.0250〜1.1050のレンジを想定しておきます。オレンジ色の豪州株対NZ株は、長い間の抵抗線を抜け、豪州株>NZ株のトレンドへと変えつつあります。
再度、オレンジ以下に潜り込まないことが必須になります。
下図(2)は(1)の期間を短くしたものです。このチャートでは1.0340〜1.0920付近で3角保合いの収斂を形成しています。今回はザラ場で下限を切った訳ですが、9月28日(NY終値=1.0410)ではレンジ内に収まっています。明日のNY終値で守り切ると、豪ドル高NZドル安方向への余地が広がります。その場合には1.0450〜60、1.0540、1.0600〜10、1.0650の順にある抵抗線を試す流れに入れそうです。そして最後の抵抗線を上抜けない限り、上記レンジの上限1.0920をトライ出来る態勢には入れません。
相場は引き続き2013年から始まった3角保合い収斂が続くと見ていますが、市場はこの両通貨でどちらが先に利上げ態勢に入れるかを模索している段階です。両国中銀の予想では、先々の金利はNZが豪州よりも先行して利上げが予想されていますので、2国間の金利差から見ると、まだNZドル高豪州ドル安の流れを継続する可能性が高くなっています。その意味で、テクニカルには1.1250の横サポートを維持できるか否かが今後数ヶ月の焦点になりそうです。
また、上記サポート維持の材料としては、現状の大きなシカゴ豪ドルネットショートポジションや、株価の流れとしては豪州株>NZ株になっているので、豪州への資金移動が継続するのかがポイントになりそうです。
(1)為替と相対株価指数比:(2)2015年2月からの拡大図
・為替(青)
・相対株価指数比(オレンジ)
(注:(1)と(2)チャートは直近までの数値を加えたものになっています。相場は全て月末終値で記載していますので、実際の相場での高値・安値のヒゲ部分はありません)
(9月29日10:20現在、1豪ドル=1.0424NZドル)(前回は6月9日掲載)
オーダー/ポジション状況
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