米7月雇用統計の予想
本日は恒例の米雇用統計関連数値が発表されます。下表(今回予想)を見ると、前回6月は予想値と比して、@失業率が悪化、ANFPは改善、B平均時給は予想通りとなりました。相場は前回雇用統計直前に付けた111円66銭がここまでの今年高値となっており、雇用統計公表後もAを好感して再度111円59銭まで付けましたが、この日を最後に米金利軟化により109円割れ迄ドルが売られています。テーパリング開始の判断材料の1つとして雇用改善を挙げており、順調に回復基調を辿ってはいるものの、まだコロナ前の水準を回復していません。
さて、注目のAは前回とほぼ同じレベルの予想になっています。このまま同数(NFPが約+80万人/月)で改善しても、コロナ前を越えるには7.5ヶ月がかかり、来年2月以降になります。今日の数値が雇用回復を順調と見るのか、まだ先行きの道のりが遠いと見るかは、やはり米10年債金利の動向次第と思います。そして金利が上昇した場合の株価への影響を見てから、為替への波及になりそうです。予想レンジ上下限のサプライズ数値にも注意します。
今回予想
(8月6日9時現在)
NFPとADP社
前回6月数値は、概ね好数値といえます。失業率は悪化しました。FRB(6月時点)の2021年末の予想では4.5%(3月時と変更なし)ですので、年末にかけて一層の改善が継続することになるFRB見立てです。平均時給は順調な伸びを継続しています。NFPは予想を上回りました。さて7月ですが、水曜日公表のADP社は予想69.5万人に対して、結果は33.0万人となり半減となりました。コロナ期の雇用喪失で246万人(=NFP2216万人−ADP1970万人)の差があり、公務員がカウントされているNFPから勘案すると、前回6月時迄は、ほぼNFP≒ADPと同じ推移になっていました。しかし、今回のNFPが予想通りの結果になると、7月までのNFPが▼596.3万人、ADPが▼676.9万人ですので、その差は約80万人となり、今回の差である約52万人がそのまま反映されます。従い、8月にADPが大幅の増になるか、8月NFPが下がるかが想定されます。また、予想レンジを勘案すると、▼647.1〜▼562.1万人となり、ADPから見ると▼562万人は考え難い数値と思われます。
下図はドル円の日足チャートです。サポートラインA(=111円00銭)とB(=110円30銭)を下抜けているので、短期はドルが弱い状態になっています。丁度前回雇用統計日高値からの抵抗線C(=110円10銭)に沿ってドルが下落し、そこから平行に下したD(=108円30銭)でトレンドラインを形成しています。今週央に108円88銭まで売られましたが、現在はCに向かって戻す流れにいます。今日の雇用統計でCを守れるのかがポイントになります。越えた場合はBを回復すると一段のドル戻り局面が想定され、Aが次のポイントです。逆にCが守られれば、CとDのトレンドラインに沿った動きに戻されます。
(2021年8月6日10:45、1ドル=109円85銭)
オーダー/ポジション状況
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