米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(2021/7/28)

東京時間では2021年7月29日木曜日夜中未明

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(2021/7/28)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

(東京時間では2021年7月29日木曜日夜中未明)

NY時間7月28日14時(水曜日)にFOMC会合の記者会見要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。

(1)政策金利

(7月28日 9時00分現在の予想)

現在のFFレート「0.0〜0.25%」⇒据え置き
(エコノミストレンジは0.00〜0.25%で全員据え置き予想)
尚、超過準備預金(民間銀行がFRBに預ける超過準備金)の付利は前回会合で、それまでの0.1%を0.15%としました。今回は全てのエコノミストは据え置き予想

前回会合(6月中旬)時は政策金利や債券購入など全て据え置きました。一部、超過準備預金の付利を上げました。今回は、全てのエコノミストがFFレート及び超過準備預金の付利も含めて据え置き予想となっています。

今回の市場の期待予想はテーパリングに関する内容が中心となっています。FRBは国債やMBS購入に関する協議を開始すると示唆していますが、市場は
@テーパリング開始のための条件を示す内容がでるか。
Aあるいは、条件付き(例えば失業率が4%未満になったら等)でテーパリング協議開始する内容となるか。
B更に突っ込んで、具体的なテーパリング開始を示唆するか。
等があるか無いかを期待している様ですが、少なくとも現状で、Bはほとんど期待できないと見ています。また具体的な国債やMBS購入に関する部分に関しては、
C一部エコノミストがMBSに関しては市場予想より早い段階の今年4Qから購入削減を開始との見方があります。
この他に、
D今回も新味がなく、今後の経済情勢を見ながら、現状維持を継続するとの結果を想定か。
Eパウエル議長の記者会見で質問に対する突発発言があるか。
に集約されそうです。

(2)FRB経済見通し

(2)FRB経済見通し

(6月時改定)

前回の3月時予想よりFFレートが2回利上げ(赤字)予想に変更となっています。GDPとコアPCEで今年の伸びを上昇修正した以外はほとんどの項目で大きな改定はありませんでした。

(3)ドットプロット

(3)ドットプロット

(経済見通し、ドットプロットの出所:FRB HP

(4)CME Fedwatch

@前回6月時点では9月、11月及び12月会合で据え置き93%、0.25%利上げが7.0%になっていました。
A今回は昨日時点で、年内及び来年1月会合まで利上げ予想は0%になり、全てが据え置き。最初の利上げは2022年3月会合で、96.6%が据え置き、3.4%が0.25%の利上げになっています。前回以上に据え置き先延ばし派が増えています。

(5)最近のFRB関係者の主な発言

(最近10日間分程度)

7月16日 エバンス・シカゴ連銀総裁
「利上げは引き続き2024年と予想」
「テーパリングの時期を調整するのに2〜3ヶ月以上かかる」
「年末の失業率が4.5%なら金融政策の調節はあり得る」
                   
7月16日 パウエルFRB議長
「金融市場の状況は非常に緩和的」
「インフレ期待が許容範囲を越えた場合は対応」

7月15日 パウエルFRB議長
「FOMCは国債やMBS買入については今後数週間で協議する予定」
「大規模緩和は引き続き適切」     

7月15日 ブラード・セントルイス連銀総裁
「緊急措置を終わらせる時期になっている」

7月14日 デイリー・SF連銀総裁
「年末か来年早々のテーパリングに向けて状況が整う」
「利上げについての議論は時期尚早」

7月13日 ウィリアムズ・NY連銀総裁
「米経済は実質的に更なる進展に達していない」

7月12日 バーキン・リッチモンド連銀総裁
「労働市場の回復に時間かかれば、テーパリング時期は少し遅れる」

7月7日 FOMC議事要旨       
「長期的なインフレ期待は目標と概ね一致」
「テーパリング開始の基準に向けた進展が続くと予想」
「辛抱強くと強調」

2021年の委員会メンバーは以下です。
パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、
マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、
チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー

前回(6月)会合では、経済見通しの上方改定とドットプロット内の2023年2回利上げを想定したことで、ドルは買われました。
その後、昨日までの各相場を見ると、株式市場は金利低下を好感し史上最高値更新、債券市場は引き締め開始時期の先延ばし観測で10年債金利は7月19日には1.18%まで下がり、債券ショートはかなり減った模様です。為替は金利低下で7月2日高値の111円66銭から、7月19日に109円07銭まで売られ、一時2円以上の円高となりました。シカゴのドル円はドルロングを5万枚以上キープしており、これまでの日米景況感格差を背景にロングに傾いたままです。

下記はドル円の週足チャートです。大きな流れではA(=103円60銭)とB(=111円70銭)で収斂を継続しています。この間にある、年始からのドル高サポートラインC(=111円40銭)を切ってしまい、短期的にドル安リスクが高くなっています。また昨日までの週足が包み陰線になっており、先週の陽線を切り返しているので、今週末の終値が109円90銭以上にならないとドルが弱い状態となります。下値は先週の底値が109円07銭ですので目先のサポートになり、もしここを切れてしまうとD(=107円60銭)が視野に入ります。上値はC以上の回復、そしてBを越えていけば、新たなドル高に入れます。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

(2021年7月28日10:20、1ドル=109円86銭)

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