基本は明日のFOMC待ちか、レンジ取引継続も
〇ドル円、110.35-40で寄り付き、堅調に推移した日米株価の動きを横目に夕方に110.10-15へ値を下げる
〇東京時間はドル安方向にバイアスをかけた展開、110円割れも視野に入っていた動きに
〇本日からの米FOMCへの注目度が高く材料待ちの様相
〇今晩発表の米7月消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数、5年債入札などに注意
〇欧米時間のドル/円予想レンジ109.70-110.60
<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場はドルが冴えない。ただ110円を割り込むことはなく、むしろ底堅さが目に付いた。
ドル/円は110.35-40円で寄り付いたのち、しばらくは下げ渋り。110.30円前後では底堅かったが、堅調に推移した日米株価の動きなどをにらみつつ、下値を割り込むと夕方に掛けて110.10-15円へと小幅に値を崩している。ただ、昨日も割り込めなかった110円の壁は本日も堅い。結局、16時現在では日中のドル安値圏110.10-15円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中対立構造」と「アマゾン報道とビットコイン」について。
前者は、中国を訪問しているシャーマン米国務副長官が、天津で中国の王外相らと会談を行ったことが話題に。米政府当局者によると、会談は約4時間にわたったという。ただ、米国サイドが「国際的な秩序を損なう中国の行動」に懸念を伝えた反面、中国側は「米国はトランプ前政権の間違った政策を継続していて、中国は断固として反対する」と強調するなど原則論に終始。具体的な合意は何も得られなかったという。
対して後者は、「アマゾン」に関する報道を受けて暗号資産(仮想通貨)ビットコインが荒れ模様。本日未明にかけて上昇し、6月16日以来となる4万ドルの大台へと一時乗せたが、その背景にはブルームバーグが報じた「アマゾンは、ユーザーが仮想通貨で商品を購入できるようにすることを模索している」が好感されていたという。しかし、そののちアマゾン自身が報道を否定、それを受けてビットコインは36000ドル台まで、4000ドルほど値を下げ結果「行って来い」に。
<< 欧米市場の見通し >>
本日東京時間は、またもやドル安方向にバイアスをかけた展開。110円割れも視野に入れた動きだった。ただ、昨日レポートしたように、「先週末からの数日間は東京時間に円高あるいは横這い推移をたどるも、欧米時間はトレンドが逆転。ドル高方向に向けた動きとなることが多く」、昨日も確かにそうした動き。同じようなドジョウが三匹も四匹もいるのか不明ながら、パターンからすれば、本日もあまりドル安方向にバイアスをかけたくないように思える。
引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高く、うち後者については明日予定されている米FOMCに対する注目度が極めて高いようだ。よって、基本的には明日の材料待ちといったところだが、本日も重要とされる米経済指標の発表は少なくなく、それらの内容には注意を払いたい。また、再び上方向へのリスクを感じさせている米株ならびに、月末をにらんだ広義の需給要因にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場はここ数日間膠着。実際、先週末からの3-4日だけと考えれば60ポイントほどの動きにとどまっている。今週は注目材料も多いことで、足もとのようなレンジ取引は長期化しないとの見方が有力だが、それでも動き出すのは基本的に明日以降か。油断は禁物ながら、本日だけに限れば110円台前半を中心とした一進一退の継続、次の方向性を探る展開を続ける可能性もある。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、7月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表されるほか、米財務省による5年債の入札なども実施される見込みだ。また、米株の動きとあわせ、米企業決算にも注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.70-110.60円。先週末高値の110.59円が引き続き抵抗に。また、その手前110.30-40円からも少しずつ重くなってきている感。
対するドル安・円高方向は、先週22日以降一度も下回っていない110円前後が最初のサポート。割り込んでも109円台にサポートは数多く底堅そうだが、109円半ばを下回るとやや風向きに変化もありそうだ。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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