米連邦公開市場委員会(FOMC)での議事録要旨
(2021年6月15日・16日開催分)
昨日、FOMC議事録の公表がありました。内容は米経済が前回会合での見通しより更に強くなったが、これまで通りFRBの使命である最大雇用とインフレ2%を達成するには、現行の緩和政策を継続することとなりました。また、テーパリングを考慮する時期に入ってきていると指摘する参加者もいましたが、全般的にはまだ辛抱強く先行きのデータを査定していくとしています。そして今回も投票権有する参加者は全員で賛成しています。
次回は7月28日(水曜日)に予定されています。
(スタッフによる経済見通し)
6月会合に向けてのスタッフが作成した経済予想は、4月時予想よりも一層強くなった。
・急速な失業率の低下に呼応するように、実質GDPは今年確りと拡大する見通しである。
・財政刺激策により経済の巻き戻しを始めているものの、社会的制限の低下や好ましい金融環境によりGDPを支えていると予想している。
・スタッフによる期近のインフレ見通しは際立って上方修正されたが、スタッフは引き続き今年のインフレが一時的と予想している。年率の全インフレとコアインフレは4月に2%を越えた。その後のCPIデータによりPCEは5月も高いままであった。経済再開に連れて需要が増え、生産のボトルネックや供給制限もあり、最近の大きな価格上昇となった。それでも今年年末ではPCEインフレが2%越えると予想。来年にはこの経過的な要因が薄れることで、インフレは減速し、2022年には2%をやや下回る水準になると予想されている。その後2023年には2%を少し超える水準となる。
それでもスタッフは経済活動に関するベースライン予想を取り巻くリスクは幾分まだ下方に向いていると判断した。それはワクチンに抵抗する、より感染の高いCovid-19変異株の拡大の可能性を含めたパンデミックへの逆回転が、従来のベースライン見通しよりもあり得るとみている。
(参加者の現状と経済見通し項目内)
(現在の経済やその見通しに関する項目は略します。)
・参加者は昨年12月に債券購入のガイダンスを採択した以降、委員会の目標に向けたFRBの債券購入やその進展について議論した。
・委員会の「相当に顕著な進展」との基準はまだ実現していないと見られており、参加者はその進展が今後も継続すると期待している。
・幾人かの参加者は、債券購入ペースの減速開始の条件が、最近入ってきたデータに鑑み前回の会合で予想したよりも早くその時期が来たと予想されると言及している。幾人かの参加者は、入手したデータでは根底にある経済の勢いには明確なシグナルが少ないと見ている。そして委員会は労働市場やインフレへの道のりに関し、より良い査定をすべく今後数ヶ月の情報をもって判断すると見ている。
その結果、参加者の幾人かは、委員会が目標の向けた進展、及び債券購入計画の計画変えることを査定するに辛抱強くすべきと強調した。参加者は一般的に、慎重な計画の要件として、予期せぬ経済の伸びに応え委員会の目標に向けた予想以上の進展や、あるいは委員会目標達成を邪魔するリスクの出現に対応し、債券購入ペースを減速するに十分な状態にあることが重要であると判断した。
(FRBの政策行動に対する投票は全員賛成で、反対は1人もいませんでした。)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
昨日相場はFOMC議事録公表後はほとんど動きがありませんでした。しかしながら、米10年債は一時1.30%割れまで軟化し、金利が大きく低下しています。NY株は低金利下景気堅調との見方でS&Pは連日新高値を更新しています。一方、為替は小動きで収斂が継続しています。
下図はドル円週足チャートです。年始底値のラインAが=110円20銭にあり、Bの横抵抗線は111円70銭、Cの上昇ウェッジ上限は111円75銭です。また4月下旬底値からのサポートDは109円80銭にあります。そして今週足は昨日まで包み陰線となり、まだAとDの下値模索状況にいます。このまま109円80銭〜111円75銭で収斂継続するのか注目したいと思います。
(2021年7月8日13:10、1ドル=110円53銭)
オーダー/ポジション状況
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