「FOMCにとり大統領選はリスク ?」
この問いに対して、答えはYESなのだと思います。
元来、政経分離の立場からすればおかしいとの指摘もあるのですが、
今回の米大統領選挙に関しては、現在有力候補となっているトランプ候補の事を
つまりもし仮にトランプ候補が当選し、新しい米大統領となった場合、
金融市場へ与える影響が、あまりにも不透明なので
米金融担当官当局として、リスクととらえて備えなければならない状況に入ったと見るべきでしょう。
FRBが理論的に利上げをするかしないかを考える際、
「米国の完全雇用達成」と「物価上昇率2%の目標のクリア」が目標です。
いま足元では、初めの米国雇用状況に関しては、ほぼほぼ完全雇用状態へ近づきつつあるとされています。
もう1つの物価の方ですが、およそ1.6%程度まで上昇してきていて、後は雇用統計での賃金上昇率等を見ながら、カウントダウンに入っていると判断します。
ですが、それに加えて、リスク要因を配慮しないといけません。
突発的な事や、想定の前提条件が覆されるような事が起きそうである場合には、それらをリスクとして
何もリスクがない状態での判断を割り引いて行動せねばなりません・
今回で言えば、クリントン候補が米大統領選挙で勝利するとわかっているのであれば、政治的なリスクはほぼないと見ていいでしょう、しかし、対立候補のトランプ候補の善戦が目覚ましく、クリントン候補との接戦を演じています。このような状況では、もし仮にトランプ候補が米国大統領になるというケースにも備えておくべきで、
その意味で利上げのタイミングとしては大統領選挙前は不適で、避けてくるでしょう。
トランプ候補の何が、クリントン候補やほかの候補と違うのか、
今までの大統領候補等と何が違うのか
それは今までの選挙キャンペーンでトランプ候補がなしてきた言動が物語ります。
トランプ候補の掲げている選挙公約、移民は受け入れない、メキシコとの国境に壁(ウオール)を気築く、TPPからは即時撤退、輸入品には35%の関税をかける等々、その攻撃的な言動が問題なのです。
先ず想定されるリスクは、もし仮にトランプう候補が当選した場合、トランプ候補のその後の施策とそれによって起こるであろう混乱を市場が嫌気をして、大きなリスク・オフ相場になってしまうケースです。
若干のリスク・オフであればいいのですが、その影響度を想定するに若干では収まらず、もしかすると各国中央銀行の介入が必要なほどのドル相場の下落や、金融支援が必要なほどの株式相場の崩壊も想定しないといけないでしょう。
もう1つの想定されるリスクは、当初のリスク・オフは乗り越えたものの、その後トランプ新大統領の施策があまりにも孤立主義、保護貿易主義の色彩が強くて、結果として、米国経済の成長の腰を折ってしまう可能性も高くなります。そうなれば当然追加の金融緩和が必要になってきます。
以上、これらの事々を想定した場合、11月の米大統領選挙はリスクであり、少なくともそれ以前の米利上げ決定はないと見るべきで、かつ、もしトランプ候補が当選の場合には、極めて要注意と想定します。
オーダー/ポジション状況
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