(議事録要旨)
現状のキャッシュレートにまだ少しの下落余地
委員達は最初にBrexitの影響について意見を交換した。資本市場はボラタイルになっているが、Brexit初日に起きた乱高下からは落ち着いてきた。重要な出来事として、英国ポンドが非常に安くなり日本円が高くなった。世界各国の債券価格が上昇したことである。英国の格付けは下がり、スイスは50年債までマイナス金利となった。また豪州10年債も歴史的低水準の1.95%まで下がった。また、これ以外では米国の雇用が極端に悪い数値となり、米国金利が軟化したことである。
豪ドルは米ドルに対して強くなり、貿易加重平均でも高くなった。また、英国の国民投票後、豪州内銀行の債券価格と国債価格のスプレッド差は拡大したものの、そのイールドは低いままで推移している。平均的な住宅借入金利も先行き低下傾向を示している。委員達は現状のキャッシュレートが下落する余地がまだ少しあることを確認した。
国内経済は堅調
国内経済は前回6月会合以降からの指標見ると、あまり変わっておらず、第1四半期と比較して、予想よりも強いGDP数値になると見込まれる。但し、純輸出のGDPへの貢献は僅かになっている。これは鉄鉱石の輸出量が4月と5月に高い水準から下落したことによる。一方で石炭の輸出量は増加している。
消費は第1四半期で過去10年間で平均以上の伸びを示した。だが、今期は内容的にまちまちとなっている。小売は4月・5月で伸びた。これは少し寒い天候で、衣料品の小売りが伸びたもの。
企業関連では、設備稼働率が平均以上を示している。これは非鉱山関連が伸びており、鉱山関連の輸出減少を補っている。企業の借入は昨年と比較して大きくなっている。結果、企業投資は、不動産関連・小売・ホテルなどの分野で伸びている。一方で、非居住用ビルの建設許可件数は過去と比べて低い水準に留まっている。
先々は雇用や住宅関連の経済データやインフレ指標で判断
雇用は5.75%付近の失業率で安定的に推移している。2016年はパートタイムの伸びで支えられ、フルタイムの雇用は過去の強さは見られない。住宅価格はシドニーで上昇したが、その他幾つかの地域では下落した。先行きのインフレ期待はまだ平均以下に留まっている。
商品価格は前回会合時点よりは上昇した。現時点の会合までの豪ドルは、以前に見通ししたレベルで推移している。国内経済は非鉱山関連部門が最近のデータでもよくなっている。低金利は住宅含めた家計の手助けになっている。
委員達は現状の低金利を維持することが適切であるとして、現行のキャッシュレートを1.75%のまま据え置くことを決定した。
先々は雇用や住宅関連の経済データやインフレ指標で判断していくことになる。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
コメント
全般的に前回の議事録内容と変わっていません。但し、GDPは改善傾向を示しているものの、まだ利下げ余地は少し残していると指摘しています。第2四半期がほぼ第1四半期と同じような成長に留まっているので、今回は若干ながら緩和余地があるとの見通しになっています。
豪ドル対米ドルは議事録公表までは1豪ドル=0.7580米ドル付近で推移していましたが、緩和に含み持たせた内容に豪ドルが売られて、現在0.7520ドル(7月19日14時半現在)まで緩んでいます。
先週のNZといい、豪州も依然として緩和基調を崩していません。両国共に通貨安への期待を持っている感じです。
オーダー/ポジション状況
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